ぐらぐら……?
ナニ?触れて欲しいって?
9月13日でぐぐると名古屋か中国が消されてるわけだw
ええ、そらもうオカルト系宏観異常系とにかく地震メインで掲示板持ってるところは大騒ぎですよ。
で、元ネタってのがこう。
--日本でも巨大地震は起きるか
「2008年8月6日、東京でマグニチュード(M)6・5の地震が起きる。08年9月13日には東海地方の愛知県岡崎市でM8・6の地震が発生し、3万人が被災し600人以上の死者が出る。この地震は日本でなく中国で起きる可能性もある。09年1月25日には大阪・神戸でM8・9、死者数十万人。10年9月15日には東京と横浜でM8・4の地震が発生し、死者は7万人以上となる」
(IZAの5月15日配信よりhttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/145113/)
ほう。で、2008年8月6日ってのがこうだ。
http://www.seisvol.kishou.go.jp/cgi-tmp/shindo_db/7572.html
No.1 2008年8月6日05:24:22.7 38゜46.9'N 140゜47.1'E 3km M:2.5 宮城県北部
No.2 2008年8月6日06:26:0.5 34゜53.0'N 135゜26.8'E 13km M:3.9 兵庫県南東部
No.3 2008年8月6日12:10:28.1 32゜16.8'N 131゜9.2'E 83km M:3.6 宮崎県北部山沿い
No.4 2008年8月6日13:04:53.7 38゜55.4'N 140゜52.4'E 7km M:3.0 宮城県北部
No.5 2008年8月6日17:23:10.4 38゜45.1'N 140゜46.4'E 3km M:2.5 宮城県北部
No.6 2008年8月6日18:47:56.5 32゜27.5'N 130゜34.5'E 2km M:2.2 熊本県天草・芦北地方
No.7 2008年8月6日22:16:41.3 39゜10.6'N 140゜49.9'E 8km M:4.0 岩手県内陸南部
うん。全然当たってない。
さてちょいと考察を試みよう。岡崎じゃなければ中国だというワケワカランのはとりあえず抜きにして
>東海地方の愛知県岡崎市でM8・6の地震が発生
まずこの可能性だ。どうもこの人はマグニチュードという概念を正確に把握していないように思えるが、岡崎震源として可能性を考える。この地が震源となるならば、断層由来となる。なぜなら海溝型であれば100年程度の周期で毎度同じ場所(東海・東南海・南海)で起きており、史実から求められるからだ。しかしこの陸域が海溝型の震源となったことは過去にない。
で、断層型でそのクラスはあるのか?という話になるが、確かに過去に日本では唯一「濃尾地震」(1891年・根尾谷断層・M8.0)が存在する。上下6メートル。横ずれ8メートル。
http://ja.wikipedia.org/wiki/根尾谷断層
じゃぁそんな断層が岡崎市の直下通ってるか?中央構造線ってのの東端が渥美半島なのは確かだ。
で、岡崎地震断層地図
http://www.city.okazaki.aichi.jp/YaKUSHO/ka2050/ka407.htm
「と、思われる」含めて24。明確に過去の活動(地層のズレの視認と大体の間隔)が分かっているのが7本。
規模が明確なのが1945年三河地震(http://ja.wikipedia.org/wiki/三河地震)で、M6.8。戦時下で不正確だが、犠牲2300、津波1メートルという記録がある(理科年表)。断層ズレは上下2メートル、横ずれ1.5メートル(いずれも最大値)。
対し他の断層は「最終的にこれだけずれました」が判っているだけで、1回当たりのズレ量までは判らない。周期は数万年。こういう奴らは日本列島形成に関わる「しわ・ひび」に当たる。地球の億年レベルの活動でストレスが加わり、「ペキッ」と行くのだ。ただ、海溝型が活動すると、それによるストレスはリセットされるし(三河地震自体、1944年東南海の余震と言われる)、それこそ濃尾地震で海溝型とベクトルの異なる(東西圧縮方向)ストレスもリセットされている。根尾谷で数千年サイクルであるから、以降100年ちょっとでM8クラスのエネルギを溜め込んでいるとは考えにくい。また、それほどの地震なら、これ書いてる9月12日ああ13日になった(笑)の時点でナニも予兆がないということはあるまい。
※濃尾地震の前震は4回。出典
http://www.hp1039.jishin.go.jp/eqchr/terms/list16-3.htm
従ってこの世迷い言は否定する。
拡大解釈1:東海地震なのか?
東海エリアでM8級と言えば東海地震である。実はこの「予言」ではないかと拡大解釈してみる。
この手の海溝型大地震の前には、上で書いた「ペキッ」……断層による直下型が頻発する。その点で昨今の断層地震は日本列島全体がそこへ向かっていることを示唆する。これは過去の例から照らして間違いない。
で、東海地震にフォーカスする。前回の東海地震は安政東海地震(1854年)である。江戸期であるからして、記録は多い。そこから、政府の奴らが調べた「予兆」の調査結果としてこんなものがある。
http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/kaihou29/05_18.pdf
ここには、大きな特徴として次の3点を挙げている。
(1)「下村家古文書」にあるように,地震前御前崎付近が沈降したようである。
(2)鳴動の事例が多い。
(3)紀州から伊豆半島にかけて,少なくとも半年くらい前より地震活動が高まっていたらしい。
で、それらの動特性というと
先行現象が観測された地点は,四国から伊豆半島にまでおよんでいるが,第1 図は先行現象出現地点の震央距離ヒストグラムで,やはり近い地点の頻度が高い。第2 図には気象および超能力を除く先行現象出現地点を示す。
つぎに,第9 表に先行現象の先行時間による分類とその頻度を示す。第3 図は先行時間T( 単位:日数)の常用対数の頻度分布で,3 つのピークがあるが,先行時間が1 日~数日であるものがいちばん多い。
安政東海地震前のやや広域における地震活動を調べるために,同地震前数年間に発生した地震を理科年表などより抽出すると,第10 表のようになる。これらの中規模地震の起こり方は,第4 図のように地図上に示される。理科年表に与えられている安政東海地震の震央から各地震の震央までの距離を求め,その距離が時間によって変化する様子を第5 図に示す。これらの図より,中規模地震の震央が安政東海地震の震央に向って移動して行ったような傾向がみられる。
(1)前兆現象の項目としては,地殻変動,鳴動( 音),地震( 広義の前震を含む),動物異常行動,地下水・温泉,異常気象および超能力があげられる。しかし,最後の2 項目は先行現象の統計からは除いてある。
(2)先行時間のピ一クは0.1 日,数日,200 日あたりにみられるが,数日が顕著である。
(3)地震前相当長期間にわたって,御前崎付近の土地は沈下を続けていた。これは現在の状況と同じである。
(4)地震前の数年間には,中部,近畿などの内陸部において中規模地震の続発( いわゆるドーナツ・パターン)があり,それらの震央は安政東海地震の震央を目指して集中して行ったようにみえる。
つまり前にもちょろっと書いたが、「ペキッ」が徐々に海溝型の震源へ向かって行くと共に、数日前から「ナニかおかしい」となるのである。あるか?
http://www.jma.go.jp/jp/quake_tokai/tokai-valid.html
ないね。
なおこの調査文書で「超能力」という文言が出現する。政府の文書に超能力と堂々と書いてあるのもスゴイが、コレの意味するところについては科学的な解釈が出来るので触れておく。
断層とは要するに大地と大地のギシギシアンアン最前線だが、その結果岩盤同士がこすれ合って発電(ピエゾ効果)し、電磁波を出す。この電磁波頭で拾っちゃってるのである。
http://www.ntv.co.jp/FERC/research/20001008/f1609.html
(神殿遺構と断層分布は一致してるぞというソースさえあればいいのだが、露骨なオカルトばかり引っかかる。まともっぽいのはこの位)
要するに古代の「大地の託宣」受けた方々は電磁波過敏症のうち、こうした大地の電波にチューニングされた生体ラジオ回路を持ってる人々なのだ(これより、超感覚のいくらかは、これだと言えるかも知れない)。従ってそういう方であれば、今頃頭の中シャレになってないハズである。そして、電磁波にもっと過敏な野生動物は、もっとシャレになってないはずだが、ここ名古屋でいつものように夜空にコウモリが飛んでいた。よく、地震の前にネズミの大発生とかはそういう理由である。頭の中毒電波で充満してそこに居られなくなるのだ。でもって、この「予言」者氏とは機序が異なる。従ってこれでもないと否定できる。
拡大解釈2:日本のどこかで、なのか?
今一番切迫していて、東海のような予兆も特にない大きな地震として、宮城県沖地震が想定されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/宮城県沖地震
こいつは25-40年周期で繰り返す、かなりサイクルが明瞭な地震で、「震度6が3回」で知られる平成15年宮城県北部地震、そして先の岩手・宮城内陸地震も大枠としてこれの「前」に属する。但し本体自体の前兆としては、例えば1978年の宮城県沖地震の場合「8分前に震度2」があった程度だ。
http://www.city.sendai.jp/syoubou/bousai/sairai/
これだと確実に前震・予兆があるとは言い切れない。発生の可能性を否定しない。
ただ、「予言」の岡崎と余りに離れている(もっとも、でなければ中国という言い方がここで効いてきて、信憑性を無くすのだが)。
結論1:岡崎・東海地方という「予言」を科学的にもオカルト的にも否定する
結論2:それ以外の可能性は存在するが、元々想定されている範囲であり、そもそも準備しておくべきこと。「予言」を前提に置くのは極めて危険。
結論3:東海であれ、宮城県沖であれ、「緊急地震速報」で確実に引っかけられる
心配で仕方ない人は、今日1日テレビ付けっぱなしにしておくといいでしょう。
さ、寝ようっと。
なお、このネタで自治体・マスコミなどに予兆有無の問い合わせを行うことを堅く禁止します。それこそいざというときの業務の妨げになります。
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