はぢめてのオンキヨー
SE-U33GX+
オーディオ的な書き方をすると、MMフォノイコライザー及びヘッドフォンアンプ内蔵USB接続AD/DAコンバータ。
要するにUSB接続でアナログ音楽信号とパソコンの仲立ちをするキカイである。↓で光ドライブわいのわいの書いているが、やはりそのままの音では我慢できず、エイサー君の購入などでビックカメラのポイントが貯まったので手を伸ばした次第。パイオニア「プライベート」に始まるオーディオいじり23年。初めての「オンキヨー」ブランドである。めいどいんじゃぱん。
同社はどっちか言うと地味な印象である。真面目なところはデノンに似ているが、宣伝が控えめ。毎度ターゲットを絞って自分たちの技術と質を訴求して行く。そんな印象だ。しかし現在もフルコンポ・AVアンプ・ミニコンポと一通りラインナップを揃えている。山水やナカミチの末期のような暴走発散の印象はない。きちんとやっている。
そんなオンキヨーが「SOTEC」に手を出した日にゃハッキリ言って驚いた。同社は「安かろう悪かろうパソコン」でスタートダッシュで思い切り派手に転んだ。それ引きずって真っ赤になっちゃった。そんな会社である。今にして思えば電源をケチった結果動作が不安定になったんだろうなと思うが、往生こいたひとりとしては、継子にならなきゃいいが、と心配していた。
で、出来上がってきたのがこんなのとか、今回のシステムあたりである。着眼点は良いのではないだろうか。
能書きはたいがいにしてインプレである。このキカイはアナログ音楽信号をデジタル化してパソコンのハードディスクに書ける機能とソフトを持つが、今回は聞くだけ。
●接続して音を出すまで
まず接続。聞くだけなら簡単だ。USBに挿せば良い。winが認識してうにょうにょインスコして、「デバイスの使用準備が出来ました」が出てきて終わり。後はピンプラグにオーディオ繋ぐなり、ヘッドホン挿すなりすればよい。今回はUSB2.0のポートを利用し、アクティブスピーカにはプラグ変換アダプタを使ってRCAから回した。
●音1
先回と同じく「chappie」突っ込んでみる。メディアプレーヤ。ぎびがべいべんどぼぶ……あれ?
だめじゃん。で、これまた先回と同じくDVDライタの付属ソフト「B’s GOLD」。
♪きみがえいえんとよぶぼくのちからは……
ああ、ちゃんと出た。もちろん、ボリュームガリもない。どうもメディアプレーヤを使うとソフトかハードかどっちもかヨクワカランがまともな音は出ないのだと結論した。
●音2
パワードスピーカで音質などお話にならないので、ヘッドホン、テクニカのATH-A900を突っ込む。すなわち、TEAC D-T1+ヤマハAX4600という組み合わせとガチンコ勝負である。
まず一聴して音が硬い。そして荒い。デジタルデータをアナログに変換してます。しかも、まんま理論通りのつもりですが、ハードウェアが過渡特性上の制約を受けてます。そんな感じ。ただ、この荒さは、例えば水晶の原石を思わせる「手つかずの荒々しさ」であって、素性は悪くない。虚飾を廃した……悪くはない。
●音3
この手のソフトウェアコーデックは余計なナンタラエフェクトが付いていることが多々ある。そこでこの「B’sGOLD」もとりあえずオプションを開いてみる。しかし特段変なことはしてないようだ。ただ、「デジタル出力を利用する」という項目があったのでチェックを入れておく。
『このプレーヤはコーデック部をメディアプレーヤと共用しています』
で、メディアプレーヤでは歪みの塊になる、不思議だなぁ。
さてこの状態でもう一度再生してみる。おっ、レンジ広がったぞ。これでインプレとしよう。
1.周波数特性
真ん中ヴォーカル帯が張り出す。低音は「……ああ、あるか」程度。高音はエッジが崩れて粒子がざらつく。96kHz24bit対応を謳うが、解像感は能書きほど高くない。水晶ならブリリアントに輝いてもらいたいが原石なのである。ただ芯はクリアでクリーンだ。妙な味付け、演出は感じない。
2.ダイナミックレンジ
音量を上げるとしんどいし、微弱音は埋もれる感じ。USBバスパワードのヘッドホンアンプであって、制約は多かろう。しかもテクニカは負荷として少し重たいようだ。ヘッドホンステレオHi-MDといい勝負という印象。
★総括
パソコン付属機器と捉えた場合、他のUSB-DAに比して遥かに高価な機器となるが、音質は「よく頑張りました」と書けるであろう。「データ処理」「信号変換」と言った感覚がつきまとって離れないが、そこを小手先で「オーディオっぽく」しようとせず、そのまま出力してるのが逆に好印象である。「磨く前の無垢の金属」「鉱物の原石」「梨は幸水よりも二十世紀」てなフィーリングの持ち主ならば勧められる。
オーディオ機器と捉えた場合、そのD-T1とガチンコ勝負なら当然大敗である。同じ1ビット系のコンバータだが、D-T1は一本芯が通っており、ドンと音の樹木が出来ている。その点「アナログになりましたよ」感は越えられない壁だ。んなもんと比較するなバカヤロー?仰せごもっともである。でも言いたいのはこれだ。
ちゃんと44/16フォーマットの音を出している。その値段のDAコンバータとしたら出来は上等。
うん、買って良かった。オンキヨーさんいい仕事だと思うよ。75点(絶対評価・コストパフォーマンスを評価に含む)。
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