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2008年12月21日 (日)

キリスト教と天文学~クリスマスに寄せて~(あるふぁ)

……タイトルだけ見ると壮大ですが。あくまでライト感覚で。
熱心な信者さんでしかし科学者という方は世界中におられて、当然、聖書の記述と、法則や事実との整合に苦労されているようです。ダーウィンを否定するまでは極端ですが、神話伝承の類は何か事実がトリガーというのも良くあることであって、「創世記」の記述が全て創作とするには逆に不自然です。聖書の出来事がどの事実に相当するかを調べることは、決して無駄な作業ではありません。2000年前、或いはそれ以前の世界をそこまで詳述し、ほぼ欠落無く現代に伝えられている書物は唯一無二であって、人類史におけるその価値は単なる宗教書の枠を越えるものがあります。

さてその聖書ですが、クリスマスそのもの……すなわち「イエスの誕生日」の具体的期日を記した書物は一つもありません。新約の福音書、旧約の預言書、どこにも無いのです。
無いのにあるのは決めたからです。現在の西暦はイエスが生まれた年を元年として、というのが定説ですが、この元年は後から設定されました。このブログの過去ログ参照というのも意地悪なので書きますと、決定者はローマの神学者エクシグウス。彼はイエス復活の日が日曜日(月曜の朝に見に行ったら墓が空っぽ)から、聖書に記載の祭りの日と引き比べ、「今が何年であるか」決めました。西暦525年(539年とか、諸説有り)のことです。

しかし以降、現代までに、彼の計算は間違っていたことが明らかになりました。イエスが「預言された王」と聞かされ、地位を奪われるとびびったユダヤの王ヘロデが、紀元前に亡くなっていることになるからです。「イエスの存在自体疑わしい」とする説はこの辺に軸を置いて陣を張りますが、6世紀の人に500年前の出来事を正確に調べろってのも酷な話でしょう。「数年の誤差」が現在の定説です。

(つづく)

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