Iridescent+(総括)
この板タイトルが「虹色」なわけだが、確かにいろんな五條真由美を聞くことが出来た。セルフプロデュースで自作のリリックを含むものもあるから、五條さんが「歌いたい方向」をまとめたものと捉えて良いのだろう。彼女の声は楽しめる。それは確実である。
ただ、率直な感想を言えば、「物足りない」。素材はいいし美味しいのだけど、もっと「来て」欲しい。冒頭エンジンに喩えるならアクセル半分の印象であり、もっと踏み込んで振り回してみたい(振り回されたい?)。実家の百万円システムが灼熱するまでエネルギを投入してみたい。まだ行ける、もっとボリュームを上げられる、もっと声を頂戴。アキュフェーズのフルビット、Z11の電源限界。スタックスがびびるまで、ボーズが破けるまで。五條真由美の声はそのくらいのポテンシャルがある。録音ちゃんと頼むぜ>マーベラス
疾走系はプリキュアと被ると書いたが、シャウトするまで早くはないし、ファルセットも聞いてみたい。囁くよりは呟きを。語るよりは響きを。何と言ってもスケールを。
翻って「物足りない」に対して提案が許されるなら、まず何より「ことば」が欲しい。微妙で僅かな違いを描き分けるために用意された美しき日本語たちの数々を声にして欲しいのだ。ヨコモジより四字熟語。四季の移ろい花鳥風月。
囁くために呟くために、伝えるために届けるために。豊富に言葉があってこその五條真由美の声だと思うし、その声だからこそ微妙な違いを表現できる。そう思う。「ふんだんに言葉を駆使する」ことはプリキュアの枠ではできまい。
恋歌。言葉で殴りつけて来るような、暴風にも似た熱い思いを聞いてみたい。叫びも出るしファルセットも出てこよう。大人の恋。それは散ったと知った時死すら意識する程の強い感情。好きと言うよりは強奪に近い。掻きむしるような、煮えたぎるような。
震えるような。
それとアカペラ、或いはピアノかストリングスのソロをバックに。切なく、かわいく、柔らかくやられたらノックアウトだ。本作にも入っているが、もっと欲しい。
まぁ色々書いたが、虹色といわず千変万化百花繚乱いろいろ歌ってみてー、声聞かせてー。と本人が目の前にいれば言うであろう。殊更にコンセプチュアルである必要はないと思う。小さく縮こまるのは勿体ないし、まだ早い。今後「大人の女の声」に変わって行くと思うが、そうなればそれはそれで「そして世界は広がって行く」はずだ。
久々に夢中になれる声に巡り会った。
おかわりまだ?(笑)。
・システム
名古屋リファレンス(PD-M580/D-T1/DSP-AX4600/ATH-A900)
カロッツェリアx(RS-D7xII/RS-P1x/RS-A1xII+RS-A2xII+RS-A2xII/TS-T1x+TS-M1x+TS-W2x)
Hi-MD(MZ-RH10/MDR-EX700SL)
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