運転士は君だ
↓の続き。
事前に聞いた男の子の情報は
・内気で引っ込み思案
・どっちかというとクルマ
・小さいより大きいのが好き
で、男の子やってきた。いろいろ話を聞くと。
・その「鉄道模型」はトイザらスで見つけたスターターセットである
・日本車輌のショールーム「ゆめステーション」でHOゲージを走らせるのが好き(100円で3分速度制御が楽しめる)
・友達と一緒にプラレールを盛大に広げて遊んでいる
HOゲージはNゲージよりワンサイズ大きい。プラレールもまぁHOスケールのショーティだ。で「大きいのが好き」なのではないかというわけだ。いや、いやいや、それはお母様、
本質を捉えてないですぜ。
さて線路に載せておいたのはJR東海313系と名鉄2000ミュースカイである。地元の当たり前の電車と地元の有名な特急車。これは「普段着の電車」と、「オレんとこには特急○○が走ってるんだぞ」という郷土自慢に出せる類、故の選択である。
で、結果は↓書いた通り玄人志向である。
その1:新幹線を出せといわない
要するに「ただ、突っ走ってるだけ」なのが新幹線なのである。対して鉄道の「萌え」要素は、SLが煙吐いて勾配をあえぎながら、とか、ポイントをがちゃがちゃと渡り、とか、レールの継ぎ目でガタンゴトン、など、新幹線ではそぎ落とされたメカニカル・原理的な部分。
その2:全速運転をしない
じゃぁってんでミュースカイ走らせた状態で運転を任せてみる。
彼は駅へ止めて、また動かして、とやるが、オレが制御権を引き渡したときの設定値以上に上げたりしない。これはオレのダイヤル操作をよく観察していた証拠だし、「ゆめステーション」と同じコンセプトの小型版、とちゃんと解釈していることを意味する。
その3:古いのが好き
お母様がそう仰るので名鉄7000系「パノラマカー」を出してみる。すると彼はひとこと。
「これ運転終わったんだよね」
1961年デビューの電車に、21世紀しか知らない男の子のコメント。
その子は本物だ……多くの声が上がるであろう。普通の男の子は古い電車など一顧だにしないものだ。せとでんに集う電車に対して「銀色とポケモン(4000系とランニングピカチュウ号ラッピング電車)以外はニセモノだ」とのたまった男の子がいたのは前に書いた通りである。対し彼は脳内データベースに名鉄7000系2008年末運転終了とマイルストーンされているのである。
鉄道において「古い」ということは、SLに代表されるように原理機械に近くなる。すなわち、ゴツくてメカメカしい。また、幼児向けのボロ電車図鑑など存在しないことで判るように、そもそも古い車輛の存在を知るには、意図してアクセスする必要がある。裏返すと、それだけ情報チャネルを持っており、更に興味を引かれた、ということになる。まぁ多分、ゆめステーションの文献類だとは思うが。
走らせたのは以下の通り。JR313、名鉄2000、南海50000、JR383、国鉄113、国鉄C55+オハ61系客車、名鉄7000。
渋い渋い。が、そこで時間切れ。お父様が間もなくお迎えに見えるよ……実は今日の運転は、ウチのベビーカーの譲渡ついでに、近所のクルマのディーラーに寄るので、その間の時間つぶしを兼ねて。
最後に。
「銀河、好きか?」
「うん」
即答。短縮4連に虹ガマことEF65-1118を立たせて運転させてみる。
「駅に止めてご覧」
フライホイールを抱いた機関車は行きすぎたようで、悔しそうな表情。
「もう少し手前側から減速して……」
また挑戦してね。
「すごい面白かった」とは実はお母様の弁。百円で速度制御まで可能なでかいのと、好きなだけ好きなように動かせる小さいのと。まぁ見るだけと実際手にするのは違います罠。
とりあえずカタログお持ち下さい。値の張る代物なのは確かなので、家族会議で良く討議の上決断下さいませ。メンテ・トラブル等のご相談は承ります。
ちなみに内気でお母様から離れないという彼。幼い弟と一緒であれば線路の中に残ってもイイと言ったのが。
「一人で残って遊ぶのは?」
「いや、帰る」
そこまでの吸引力はないか。
「Wii」が2万5千円。家族会議の結果や如何に!?
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