納屋橋まんじゅう作戦
転任先に挨拶。
人との出会いは第一印象である。ルックスはそれなりなオレなので(爆笑禁止)。
後は笑顔と食い物だ←自信持って本気
駅を降りるとテンション上がる。オレはこの街と銀色の電車たちが行き交う様が好きらしい。
受付すませてチェックイン。エレベータでするするする。
りんごーん。
ドアが開いて目が点(・・)
このビルには出張で来たことがちらほらあるが、同じビルなのにフロアの雰囲気がらりと違う。
電球色蛍光灯のダウンライト。ダークな光使いのカーペットの廊下に、セキュリティチェックのライトが点々。
オレならドラマ撮るね。
でもここがこれから『オレのオフィス』になるのだ。
IDかざしてドアがちゃん。ドアの向こうは開放的で明るい普通のオフィスである。目指す部署へするするする。
手近の人に声を掛ける。
「あの~今度お世話になるオレサマですが」
「あーはいはい。かちょ。例の」
取り次ぎを受けて立ち上がったのは、頭に白いもの混じるふくよかな『お父さん』。
ども(^^)
返ったのは笑顔。やっぱね(^_^)v
会議室に通されまあ座りなさい。庶務ギャルさんがお茶持って来てくれたので。
お前出番だ出てこい。
「あのこれご挨拶ということで名古屋人ですので折角ですから流行りの名古屋めしの一種『納屋橋まんじゅう』でございます。足りなかったらゴメンナサイ。余ったらレディファーストで」
本当に流行っているかどうかはどうでもいいのである。
(^^)
ウケたら勝ち。何よりふくよかカチョとの場が和んだ。礼を言うぜ納屋橋まんじゅう。
「荷物多いねぇ」
「下見して実家泊まるんで巻き尺とビデオとパンツ入ってます」
「はっはっは」
ついでに言うとヲタリュックであって、手には紙袋納屋橋まんじゅう。
で、ドラマみたいな廊下を跋渉してきたと。
さて本題仕事の話。
「いやこっち方面のスキル付けてもらったら戻れます」
妻が喜びそうだが組織上の話だ。
「ココの出先か、名古屋か、それ以外かは判りませんが」
こうなる。つまり、今回の異動、単身赴任させてやろうという底意が透けて見える。そしてその後はオレサマの到達レベル次第と。
但しあくまで現時点での『予定』である。
新入社員向けの資料を予習用として渡される。へいへい判りました。
さて今回は「増員」なので、誰かを引継ぐわけではなく、仕事の話はこれで終わり。
下見のカギは不動産管理部門なので、庶務ギャルさんに連れられて上層階へ。
「こちらが今度移って来られるオレサマさんです」
「ども(^^)」
「こちらがカギと書類になります。ペットは禁止になっております」
「カブトムシも駄目ですかぁ?」
「…な、鳴かないので問題はないかと(^◇^;)」
「ぶんぶん言って飛びますよ」
「ぶっ!」
勝った。←新幹線乗ってドコにナニしに行ってんだ。
庶務ギャルさんとだべりながらオフィスへ戻り、ふくよかカチョ氏に笑顔で送られる。
「じゃぁ4月1日に」
「ハイ、9時に顔出します」
ツカミはOKだ。さぁ、春風に歌いながら新居へ行こう!←それは明日
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