霧ヶ峰なんか買ってみる
その他家電品は別のメーカであったとしても「エアコンとエレベータは三菱電機がガチ」とお考えの向きは相当数おいでのことと思われる。
オレニュース名物必要以上に詳しいインプレ。今回は三菱エアコン霧ヶ峰の登場である。さ~てそろそろ宣伝料もらうか(笑)。
●イントロダクション
三菱電機MSZ-ZXV369W
霧ヶ峰41年目の最新モデル。交流100V系ではいっぱいいっぱいの3.6kWの冷房能力を持つ。テレビCMしているメインフレーム。
なお、この型名は住宅設備業者向けの型番であり、量販店などでは別のナンバーを付けている場合がある。例えばヤマダ電機ではMSZ-ZW**である。どっちにせよ最も多くの機能を備えたグレードである。
●選んだ経緯
「エアコンなんてぶっちゃけ冷えればいいんだ」とお考えの向きはまだまだ多いと思われる。オレも根本的にはそうである。室温制御機であって、余計なモノ付けるくらいなら値段下げろ、である。
ただ、エアコンの場合、「成り行き上、その機能も含まれるから、その機能メインで使えるようにした」ってのが多いように思われる。現在エアコンの有する四大機能(勝手に命名)は次の通り。
・冷房
・暖房
・除湿
・空気清浄
エアコンのスタートは冷房装置……「クーラー」である。「新・三種の神器」と言われ、憧れの贅沢品だった。霧ヶ峰が世界初の「室内機・室外機スタイル」(セパレート型)エアコンとして登場したのはそんな時代である。余談はさておき。
エアコンの冷房は室内の熱を冷媒フロン(今はフロンじゃないが便宜上)に預け、フロンが今度は室外に熱を放り出すことによって達成される。当たり前だが内外役どころ入れ替えれば暖房機になる。そして、熱を空気とやりとりする「熱交換機」は吸熱用も排熱用も同じ構造と来ている。こうしてまず「冷房機」が「冷暖房機」になった。
次に、空気というのは温度が高いほど多くの水蒸気をため込むことが出来る。限界量を「飽和水蒸気量」と呼ぶ。湿度100%とは、空気がその温度で飽和水蒸気量いっぱいいっぱいの水蒸気を含んでいることを意味する。温度が下がると、限界量も下がるので、差分の水分は水蒸気の姿でいられず、水滴になる。これが室外機からポタポタ出ている水の出所である。従って、弱い冷房運転をすれば、温度は少し下がるが、応じた水分を室内空気から抜くことが出来る「除湿」である。
そして空気から熱を出し入れするためにファンで吸い込んで送り出すが、この空気に含まれるホコリは熱交換機に目詰まりするため、元よりフィルタが必要であった。フィルタの目を細かくすれば、エアコンを通った空気は温度が変わり綺麗になって出てくることになる。「空気清浄」である。
このように無理くりに無関係な機能を合体させたわけではない。
他の機能も然り。この四大機能をより効果的にする、無駄を省く、そしてエアコン長年の課題であったメンテの手間を省く、そんな形になる。現行のグレード差違は、こうした四大機能プラスアルファの部分に、選ぶ側がどれだけの価値を見出し、対価を突っ込むか、の価値観になる。
はぁ、はぁ←書き疲れてんじゃねーよ
で、「冷えればいいじゃん」なのだが、「無駄を省く」=省エネに視点が集まるようになって風向きが変わった。初期投資少々高くても、電気代が安くなって、製品が寿命を迎える前に相対的にペイできるという状況が出現したのだ。こうなると「そんな機能ゴテゴテ付けて何に使うの?」な主義でも目の色変わってくる。とりあえず無視だった最上位グレードも検討対象にした。
後は能力。すなわち冷暖房でどれだけの熱を移動できるか、となる。無論広告には6畳……20畳当たりまでラインナップがあるわけだが、小さければ足りないし、大きければ今度はブレーカ容量という限界が出てくる。
その点で今回は「100Vで目一杯パワーのあるモノ」が選択肢となった。15畳からのLDKだが、コンセントは100Vなのである。100Vのコンセントからは20アンペアの電流しか取れない(そういう法律)。そのせいか、このLDKにはエアコンが2台付けられる。
しかし、ここに省エネ競争による長足の進歩がある。同じ熱移動能力をより少ない電力で得られる=同じ電力ならもっと多くの熱移動能力を獲得できる。こうなるわけだ。一昔前、100V機種の最大能力は2.8kWだった。対し100Vで少しでも高い能力を得ようと3.2kWなんてグレードもあった。それが今100Vで3.6kWを獲得するに至ったのである。
3.6あれば一つの部屋に2台のエアコンなんてアホをしなくても済む。
そして3.6kWクラスであれば、付加価値無しのグレードでも元々高価だし、前記電気代低減効果も大きく出る。例えばこの霧ヶ峰3.6kW2009年モデルで言うと、このZXVが省エネ基準比115%(目標以上の省エネ能力を持つ)、付加価値無しだと93%としてある。わざと大メシ喰らいにしてあるのでは?とゲスの勘ぐりも入れたくなるが、ご自慢「ムーブアイ」や、風向フラップの動作、モータの能力可変域などを見る限り、「素のままだと93%だけど、人のいる範囲だけを最大効率で空調することに努力した成果の積み上げで115%を達成しました」というのがホンネのところという気がする。
で、動かしてどうよという話なのだがそれは次回に続く。そりゃ高価なエアコンだもの。ガッツリ見ようよ。
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