専門家の常識は一般人の非常識
今の仕事は「法」を扱う。「ほ~」という感嘆語はお断りする。
「法」とゆーのはコッカイで審議されて決定されるモノで、その存在は重いが小回りがきかない。すなわち、時代に応じて小修正ってのが非常に面倒くさい。大げさなことを言うと誤字一つ直すにもコッカイで修正案を通すことになる。
なので多くの場合「法」は大ざっぱなもので、細かい話は担当省庁・そのダイジンの権限下で「政令」「省令」「告示」「通達」などを出して対応する。↓に出した訪問販売うんにゃらもんにゃらもこのスタイルで構築されている。最も仕事でそういうもんだと知ったから、その「指定商品」「別表」なんか引っ張り出せてきたのである。
変な話で、逆に言うとそういう世界の住人である、国会議員やお役人が、とんちんかんな答弁をしたり、妙に回りくどい文章で「定額給付金請求書」なんかを送ってくるのも納得が行くのである。それが「常識」なのである。
しかしそれは勿論我々一般人には理解しがたい。「結局ナニをすりゃいいんだ」要はこの一文に尽きる。フローチャートとかチェックシートにしてくれればいいのに、コレコレこういう理由によってここにこう書いてこんな証拠書類を付けて下さいとかやるからややこしくなる。
実はそういう視点の差を踏まえて「要領よく判りやすく」伝えるのは案外難しい。「難しいことを難しく伝えるのは簡単だ」ってのは、けだし名言である。
ではその案外難しいことを的確に実行するにはどうすればいいのか。全容を深く捉え「要点」を抽出することである。要点を抽出するには大事なこと、細かいこと、どうでもいいことの区分けをし、説明の順序が出来上がらなくてはならない。すなわちその道の専門家にならねばならない。
偉そうなコト書いているように思えるかも知れないが、こと「鉄道」に関する限り、オレは世間一般から見て桁外れの専門家といって良い。「日比谷に行くにはどうすればいいですか?」訊かれた駅と路線に応じて答えは変わる。瞬時に答えるには選択可能な全てのルートをピックアップし、その中で相手にとって最も判りやすいと思われるルートを選択することになる。つまり、どこで訊かれてもいいようにするためには、頭の中に路線図が入っていなくてはならない(例えば「千葉から」ならどうするか?東京→メトロ丸の内→銀座→メトロ日比谷→日比谷。理由:「東京」というランドマークとそこまでの直通快速の存在。メトロの運転間隔)。
翻って、「わかりにくい」というのは、伝える情報の全容を、伝え手が深く掌握していない裏返しと捉えることが出来る。「いや、知ってて普通でしょ」とカラカラ笑うという姿が今の職場にも見られるが、工場で大事なのは設計図引いて設計図通り作ることで、「法」の詳しい中身の優先順位は低い(実は国の法律が全てに優先するべきなので、それはそれで非常識である)。……えーコレを呼んでいる方の中に「先生」と呼ばれる職に就いておいでの場合、要注意ですよ。
鉄に関する限り、ヲタの視点と一般向けの視点(アウトサイドイン)が構成できている。同じ視点をこの仕事場でも構築し、大事にしたい。
要するに今日は一日中線路と格闘していたので書くことがないのである。
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コメント
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いつもお世話になってます。
特に東京のような、俺にとっては迷宮にも近い場所で聞く携帯越しのアンタの声は、天啓も似たありがたさがある。
投稿: TAC | 2009年5月25日 (月) 15時08分
>TACちゃん
えへっ
投稿: すのぴ@ちば | 2009年5月25日 (月) 23時20分