危険な話
妻が言うには朝の3時まで寝たり起きたりしていたとかオレ。
「おかげで眠れやしない」
???。
「耳元でバカささやいて寝たじゃん」
「その後またゴソゴソしてたの」
「うそだぁ」
記憶がない。
「でも現に起きてたの。股ぐらが暑いってそのクッション出したの」
出した記憶はないのだが、出ているからには出したのだろう。
「すんまそん」
謝りはしたが釈然としない。何せ記憶も記録もないんだから当たり前だ。ただ、確かに睡眠導入剤食らうと寝る直前の記憶が飛ぶと心療内科からは聞かされてはいた。寝る前にメールすると身に覚えのない、になるぞと。
それか?
試してみる。ミッションはカブトムシの水槽に霧吹きをし、Edyにチャージする。
クスリを飲む。Edyをいじるための機械「pasori」を認識させる。次にソフトをソニーのサイトからインスコ。Edy用と鉄道カード用。
パソがウニウニやっている間に霧吹きする。霧吹きを仕舞う。インスコ完了。
で、翌朝がこれだ。
「パソ点けっぱなしじゃん」
パソ見るとアイコンが二つ出来ていて、Edyにはチャージされている。
やったのだ。だがオレの記憶は「インスコ完了」でブッツリ途切れている。記憶の断片があるわけでなく、インスコ完了から妻が起きるまで編集で消去されたみたいだ。おおなるほど。
正常に行動しているがそのログがない。
ただ、事実のみ厳然としてそこにある。
まるで誰かが知らぬ間にやったかのよう。
気持ち悪。
記憶喪失という状態、記憶に関連する疾患の辛さが垣間見える。幾ら回りに指摘されて事実がそこにあったとしても、自分としての確認基準が何もないのだ。「何で覚えてないの!?」怒られても本人にはどうにもしようがないのである。しかも変な話で、記憶のビデオは「インスコ完了」→「点けっぱなしだよ」へ2コマで繋がっているが、「時間経過の感覚」は記憶ビデオより長いのだ。すなわち「空白感」があるのである。
オレが失った記憶は十数分と思うが、大きなケガなどで失われる記憶は年から数十年という単位にもなりうるわけで。情報の欠落、連続の欠如、客観的事実と認識との差違。……ええそう、コレ読んでる中に心理学・心療内科・精神科の系統の方がおいでか判りませんが、それらが相乗効果で(おそらく負のシナジーになる)心理的に与えるダメージ・インパクトが如何ばかりか想像を絶する。
何か危険な人体実験をした。そんな危険で貴重な経験。
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