公益事業
運輸・郵便・電気通信・水道・電気・ガス・医療・公衆衛生の事業で公衆の日常生活に不可欠なものおよび内閣総理大臣が国会の承認を経て1年以内に限り指定した事業【労働関係調整法】
郵政民営化の見直しがにわかに現実味を帯びてきたわけだが、法の定義にあるように鉄ヲタとしてそんなに無関係なネタでもないのでちょっと触れてみる。
公益事業は、権利なり利便なりを居住者(非居住者は?って突っ込みはとりあえず無しで)に、あまねく提供するのが目的、だろう。従って、提供の対価に採算性を求めることが常に相応しいとは思わない。地元の足であるバスや電車、郵便事業もそう。「赤字だから」で切ってしまうと公共の利便が損なわれる。
一方で例えば以前、八王子駅前地下に市がこさえた駐車場にメールで文句したことがある。「周りより高いと誰も使わないよ」対して「周辺を圧迫しないように価格を設定」みたいな回答。いや誰も使わず維持費ばかり(税金だし)掛かるのはムダだと言いたかったんだが。使って欲しいんだか欲しくないんだか。しかして今年の時点で料金体系は周辺民間と同一。更に「八王子そごう」のお買い物割引も有効になった。当然、場所が場所なので利用率は高い。
このように公益事業は取捨選択さじ加減が絶対に必要となるが、杓子定規にどっちか一辺倒に陥りがちなのが行政の習いである。そのズレは言わずもがな行政の客観性欠如に起因する。
しかも最低限キャッシュフローは必要で、どこで黒字を確保して赤字を補填するかにアタマをひねる必要があるのだが、出て来る発想がダムと道路と箱物だから話にならない。よしんば足らないとなると、税金や公共料金を上げようと来る。テメエらぶっ飛ばすぞ。
たとえば銚子電鉄は公益事業であるが民間企業である。電車の車検費用がないという前代未聞のピンチに、自社製のせんべいを通販で全国販売というこれまた前代未聞の手法で乗り切ってみせた。鉄の赤を醤油の黒で補填しているわけである。このビジネスモデルがバランスすることを切に願う。せんべい買うから。
名古屋の専用軌道バス「ゆとりーとライン」は3セクだが、共同出資しているJR東海が手を引く事から、名古屋市が運営を引き継ぐ方向で話が進んでいる。
ここは要するに高架鉄道に電車じゃなくてバスが走っているようなものであり(法規上は鉄道扱い)、「1列車」あたりの収入は低い。コンクリのドンガラ維持費だけでも相当なものと推察されるが、名古屋市は本来「金の成る木」であるべきバスと地下鉄自体が大赤字なので(200万も人口がいて何やってんだか)キャッシュフローには不安がある。ど~するつもりか少々注目している。ちなみに名古屋市はリニモやあおなみ線と言った大赤字3セクを他にも抱え、近場にはピーチライナーなどという悪しき先例が存在する。個人的にはリニモもあおなみも抱えてしまい、地下鉄と一体の通算料金制とし、初乗りを下げて近距離多数回利用を促進し、客単価を回数でフォローし、バスも地下鉄駅からのフィーダ路線方式に変更すれば相当スッキリするし便利になると思うが。えっ?合理化で人員はどうするんだって?客増えてバスの本数増えれば問題ないじゃん。そこ(客増やす)に頭使わないでどこ使うのさ。でも既得権益が邪魔すんだろな。会社の「肩書き」は「給与水準」を意味するのとちゃうで。
【引用はじめ】
<産総研>8754万円の電子申請システム 4年間使われず
9月2日12時38分配信 毎日新聞
会計検査院は2日、独立行政法人「産業技術総合研究所」が、微生物の特許出願に関連する電子申請システムを導入したものの、4年間全く使われていなかったと発表した。同研究所はシステムの開発や保守に8754万円をかけていた。
検査院によると、微生物関連の特許出願者は、製品開発にカビや酵母などを利用している製薬会社や食品メーカーが多い。希少な微生物の場合、特許庁への出願とは別に、指定機関にサンプルを提出する「寄託」が必要で、同研究所が受け付けている。
行政手続きのオンライン化を進める政府の「e-Japan重点計画2002」に基づき、同研究所は経済産業省の要請を受け、寄託業務の電子申請システムを開発。05年3月から運用を始めた。
しかし電子申請には電子証明書の取得とカードリーダーの購入が必要で、サンプルそのものを提出する手間は同じだった。4年間に申請は約4万件あったが、電子システムによる申請は1件もなかった。【苅田伸宏】
【引用終わり】
e-taxもそうだが一番ムダなのがこの手の「押しつけシステム」。たいした頻度使うわけでもないのに専用ソフトだ認証カードだ郵便であれこれやりとり。事前の手続きが面倒くさいったらありゃしない→結局使えない。「住基ネット」がこの手の認証簡略化に繋がるなら話は別だが。どーよ>鳩ちゃん
要するに私腹肥したい向きは市民生活にとって何のメリットもないから、公益事業に手を出さずすっこんでて下さいやがれってこった(何だこの尻切れトンボ)。
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