どうせ行くなら他の星
小型ソーラー電力セイル実証機(IKAROS)の計画概要
平成21年9月9日
宇宙航空研究開発機構
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
http://www.jaxa.jp/press/2009/09/20090909_sac_ikaros.pdf
いや~「光子推進」リアルに来ましたねぇ。
人類が本気で科学的に「太陽系外へ行こう」と考えたのはダイダロス計画と言って。
要するにロケットを水爆(トリチウム爆弾)ドッカンドッカンやって加速させようって代物。まぁ技術的には可能だけど、結局画餅。
一方で現在の理論上究極と考えられている推進システムが「反物質燃料による光子ロケット」である。
燃料を全部「光」に変換し、その強力な光線をロケットに当てて進ませようという物だ。このうちの「光を受けて進む」部分を実際に衛星推進に使おうというのが今回のイカロス計画(Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun)である。推進用の光線はお天道様から頂戴する。曰く太陽帆船ソーラ・セイル。
しかもこのセイルは太陽電池にもなっている。従い、進みながら発電できる。これで衛星の動作電源をまかなうほか、将来的には得た電力でイオンロケットエンジンを駆動し、木星観測ミッションに使う予定だそうである。
ちなみにこの「光の帆」は折りたたんで持ち出され、宇宙空間ではくるくる回転しながら遠心力で開く。
差し渡し20メートルの人類の夢がひとつ花開く。
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