男は少女に恋をする~現代ロリコン考~【3】
【萌えとロリコンの境界線】
(1)女神の伝承・巫女の記憶
現生人類ホモサピエンスの歴史は10万年といわれる。現生文明の萌芽が約1万年前であるから、およそ9万年の間、「少女」とはすなわち嫁候補であり巫女であった。当然、「魅力的な女性の特質」と、「巫女を生み出す女系の特質」が後々まで残るだろうし、若い嫁を娶った(若い女性を好んだ)男性の遺伝子の方が残るし広がった。
また、女帝の方が安定した社会であったことは卑弥呼の後継争いに端的に表れており(cf.魏志倭人伝)、そのような部族・ムラ社会の方が子孫を多く残したであろう。示唆するところは、現代女性にも少なからず「魅力」「巫女」の特質が生きており、男性側も「少女を娶る」「女神を戴く」が色濃く反映された遺伝子だろうということだ。「お姫様」「魔法少女」の物語はどちらも「少女」で、世代を超えて受け入れられるのは何故だろう。
(2)トライアングルベクトル
大体見えている方も多いと思うが、萌えとロリコンはどちらも少女の持つ上記3つの要素を背景にした心理で、紙一重にして対立軸をなす感情表現と言うことが出来る。3つの要素がどれだけブレンドされているかという「ベクトル演算」だ。魅力を原点に女神性を見出し、憧憬・崇拝に近いものが萌えであり、娶る方から性愛に向かうのがロリコンである。前者の場合魅力のうち「内部から発散される美」に惹かれ、後者の場合「外部身体的特徴」が意識される。ここで後者はフェティシズムとの融合を見る。
(2007年8月。娘と、遊んでくれた女の子達。当ブログ使用済み)
「妬かない妬かない。ロリコン伯爵~」
とルパンがロリータ扱いしたクラリスは17歳という設定であったが、現在「ロリータ」と言われて思い浮かべるのは中学生以下であろう。どころか、えらく大人びた小学生がケータイいじって渋谷を闊歩している時代である。オレ自身が中学2年だったある日(すなわち四半世紀前!)、理科の50代後半女先生が授業中、突如クラス中に向かってのたまった。「あんた達、色気づいてきたねぇ」……その年齢が確実に下がってきている。言うまでもなく早熟化しているのである。
そりゃ成長に充分な栄養が確保できれば、早めに「母の準備」を始めた方が、種の保存と繁栄からは好ましい。生物として当然の反応であろう。
そして、それは大きな危険なわけだ。「子ども」が「色香」を放つ。前記の思春期と少女期とのズレとはこのことだ。ランドセル背負って色気だなんて本人も大人も頭にないから、本人は気付かないし、大人も少女として見ない。男は狼だと教えない。本人は「子ども」のままなのに、実は男を惹き付けてしまう。
(つづく)
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