津波の力学
「地震が来たら津波に注意」
これが国民的コンセンサスになっているのは日本くらいではなかろうか。
とはいえ「50センチ」と聞いてニヤニヤしているバカが相変わらずいるわけで。
「だって風呂と変わらないじゃん」
よろしい。風呂の中で歩いてみろ。
歩きにくいはずだ。「風呂の中で歩く」のは、アナタ自身が動いたわけだが、津波は、アナタは止まっていて、「水の方が動いてくる」ものだ。
時速100キロで。
そう。津波は普通の波(風浪)と違ってべらぼうに速度が速い。
ホースで水をぶっかける。
水しぶきが当たって「痛い」という思いをした方は多いはずだ。で、ちょいと計算。
水、1リットル=10センチ×10センチ×10センチの立方体に収めた水量のこと。重さ1キログラム。
この立方体が1メートル×1メートル×1メートルだったら、その時の水の量と重さは?
ええそう、アナタの目の前の空中にこの「1立方メートル」の形を腕で作れると思う。1メートルは100センチ。従って100センチ×100センチ×100センチ。1リットルが10×10×10=1000。
1000キログラム。すなわち1トン。腕で作れるサイズの水でも重さは1トン。
高さ50センチなら半分で500キログラム。時速100キロでぶつかってくる。
日本におけるコンセンサスと書いたが、それ自体は古く明治三陸地震津波、チリ地震津波、日本海中部地震、北海道南西沖地震など、顕著な津波災害の尊い犠牲を経てのことだ。
50センチ。あなたの手の届く範囲の水は500キログラム。
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