大地神明【2】
4.地と人
九州へ上陸した古代の人々が、否が応でも目にするのは火山であろう。特に阿蘇山、姶良桜島は年中無休の24時間営業である。これら山々が大地を震わせながら火を噴き、流れ出たドロドロの赤い塊はやがて固まって積もって行く。
それは新しい国土が今着々と生まれ出る有様を見ていることになる。
で、阿蘇山の俯瞰を貼ってみる。
どんなカタチしてる?
「然未成處有一處在」
違うだろうか。単にオレが助平なだけか。
しかし、「地名」が多く人体構造・特徴になぞらえた結果、すなわち、地形に人体を見ているのは「尻毛」ネタでも書いたこと。「程久保」「保土ヶ谷」など「ほど・ほと」+「窪」「谷」は、その部分に形が似ているから、という説明も聞く。
阿蘇カルデラは外輪山が明確であって、二重構造は古代人にも理解できたであろう。そういう形した大地が、出血を伴い新たな大地を生み出すわけだ。こじつけでは無いと思うが。
5.神と地
古代は巫女社会だと↓に書いた。巫女の役割って何だろう。託宣受けて一族に繁栄を。ええその通り。加えてもう一つ忘れちゃいけない大きな役割。
破滅から救うこと。但し、破滅……カタストロフは、具体例を知らないと「迫っているのは破滅だ」と判断できない。
破滅の記憶が要るわけだ。そう、ここで先の大噴火が出てくるわけ。
噴火は誕生であり、しかし死をもたらす現象でもある。
出産には出血を伴う。当然、当時は命がけだったわけで、火山の二面性はアナロジーとして容易に理解されたに違いない。だからこそ人々は、大地からのシグナルを受ける役割を女性に託した。
ちなみに「国生み」の前段階である「天降り」の地はその高千穂であり、火を放たれた小屋で木花之佐久夜毘売が産んだ三人の皇子は、火照命(ホデリ)火須勢理命(ホスセリ)火遠理命(ホオリ)…とにかく火にまつわる。
6.神と人
ここで事実を二つ。
ひとつ。電磁波過敏症ってのがある。主として送電線の下など交番電磁界(磁界・電解どっちかだけかも知れない)に置かれると、体調が不良になるというものだ。技術系からモノスゴイ勢いで否定されているが、サメや鳥は体内で磁気を感知して回遊・渡りを行っており、何らかの電磁気センサを人体が備えていてもおかしいとは思わない。むしろ地磁気という変動の少ない磁場の中で、神経に電気信号を飛ばして生きているってのが地球生命共通の特徴であるから、電磁界が変動していると不安に感じ不調に陥るのは自然なことかも知れない。
ふたつ。ピエゾ効果という物理現象がある。鉱物に圧力を加えると電圧が生じるというもので、時計のクオーツ(水晶)は、この原理に基づいて精度の良い振動を取り出すものだ。このピエゾ効果による電圧は、当然デッカイ岩盤同士の擦れ合い・破壊現象である地震において盛大に生じる。
合体して。
火山と地震が根源同一であることは古代人もすぐ判ったであろう。すると、災害の予兆を感じ取る……神の声を聞こうとするならば、電磁波過敏症さんに「大地の電気」を感じてもらえばよいことになる。「巫女の仕事」である。次に、仕事の精度を上げようとしたら、大地の電気が最大限に放射されている場所を探すことになる。
デカイ岩盤同士の衝突点。断層である。
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