大地神明【1】
昨日の続きというか、もっとスケールのデカイ話というか。
オレが日本神話に興味を持ったのはむしろオカルト的・考古学的・地学的興味からであって、そうした視線や態度はギリシャやエジプトやケルトに対する見方と何の差異もない。
会社に出かけてデカイ日の丸翻って何事かと思ったが、今日は即位20周年なんだな。でもそれにちなんで昨日から記紀の世界に遊んでるわけではないっていう前書き。
さて本日はまず色々書き並べたい。
1.神の動き
「汝身者如何成也」
「妾身層層鑄成 然未成處有一處在」
「吾身亦層層鑄也 尚有凸餘處一 故以此吾身之餘處 刺塞汝身之未成處 為完美態而生國土 奈何」
古事記の「国生み」冒頭である。「貴女の身体はどうなってますか?」「私は女です」「私は男です。さぁ子どもを作りませんか?」……セクシー・ショック!いやこの位ダイレクトに告白できるのは尊敬に値する。さすが神様。
2.人の動き
日本列島への人類伝搬、上陸ルートを考える。当然海路だが、島伝い陸伝いで徐々に進んできたと考えるのが妥当。南西諸島から鹿児島、朝鮮半島から九州、シベリアからサハリン経由北海道、アリューシャンから北海道、この辺が常識の範囲だろう。
この流れは一度ではなく、太古から繰り返し何波にも分かれて行われたはずで、継続的に住み続けるようになったのが縄文時代、と言えるだろう。
3.大地の動き
旧石器時代から人はいるはずだが、継続的に遺物が出てこない。この背景には気が狂うような天変地異の存在がある。まず2万2千年前、現在の桜島火山の親分である姶良火山が「富士山8万個分」の噴火をした。灼熱の山津波のような火砕流が発生してシラス台地を形成した。九州山地は標高700m程あるが、これを越えて流れ、海を挟んだ高知県宿毛にも達している。この時代を最後にナウマン象が日本から姿を消している。火砕流災害としては雲仙普賢岳が直近では知られるが、スケールが格段に違うことが認識されよう(火砕流の最大スケールが普賢岳レベルと思われては困る)。
また縄文時代には屋久島北方の海底火山、鬼界アカホヤが同様に噴火して火砕流と火山灰が九州・西日本を覆った。これら天変地異は当時の人々をほぼ壊滅させたと共に、生き残った人々の間では、伝説として語り継がれたであろう。ちなみに屋久島の縄文杉は最も古いもので樹齢7300年というが、これは鬼界アカホヤが爆発した時代に一致する。つまり屋久島はこの火砕流で丸焼けになり、その直後に生えたのが今最も古い杉、というわけだ。
1回目はとりあえずここまで。
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