ナシにコダワリあり
ブログネタ: 食べ物の産地、気にしてますか?
梨は二十世紀が好きだ。「幸水」「豊水」がメインなの知ってるが、あれだけ甘いとあの甘さが媚びてるようで逆に「過ぎたるは……」状態。
「あらナシ?ナシといったらラ・フランスでしょ。甘い香りととろけるような柔らかい口当たり」
吐かせ。野いちごにも通ずる酸味と歯ごたえ。出しゃばらない甘み。これこそ野趣あふれる果実ってもんだぜ。「果実である以上、オレを食わせてやるのはやぶさかではない」みたいな。
ちなみに二十世紀というナシは、1888年、千葉県は松戸の農家の庭先ゴミ箱に突然生えてきた新種ナシで、人工交配種である「幸水」「豊水」と毛色が違う。来るべき二十世紀の代表品種という思いを込めてそのように名付けられた。千葉県は梨の生産日本一だが千葉県原産の二十世紀の生産は鳥取県が日本一だ。今や鳥取の梨は二十世紀、二十世紀といえば鳥取の名産という評価が定着しているが、そういう背景があるのでしっかり憶えていってもらいたい。←何のセミナーだ
閑話休題
後は「新高」「新興」といったメガ級のナシもいい。どっちも「しんこう」と読めるが「新高」は「にいたか」と読む。
こと大柄の動植物には「大味」なんて言葉があるわけだが、コイツらの場合果肉を構成する細胞の粒径がでかいだけで、味覚が希釈化されているわけではない。噛み応えのある爽快な硬さで、何と言ってもその図体ゆえに食いでがある。こうなると「新高」「新興」の共通の原種である「今村秋」を食ってみたいが……千葉なら手に入らないかなぁ。
リンゴは「しゃりっ!」ナシは「じゃりっ!」
ちなみに「今村秋」は、洋なし派もあっと驚く姿形をしている。
コメント