津波を追って
タライに水を張って。
隅っこを指でつつく。
波が生じ、反対側に伝わり、
タライの中心を挟んだ点対称の位置にその波は収束する。
一旦広がって、また集まる。
南米大陸で地震が起きると、太平洋でこれが生じる。
津波。
それは「海から来る洪水」であって、「波」ではない。
普通の波の終わりはすぐ先に見えるが、津波の終わりは数百キロの彼方。
「やり過ごす」ことが出来ない。津波の恐ろしさがそこにある。
十全の警戒を呼びかけ、懸念された3メートルクラスは出現しなかったようだが、浸水や海嘯も見られた。
幸いにも、50年前よりマグニチュードが小さかった。
幸いにも、大きな波は満潮を過ぎてから到達した。
我々は重なった幾多の幸いに感謝しなくてはならないかも知れない。
それでも、大きな被害が出ている。
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