四月は暑くて寒い月
「降雪」「冬日」「真夏日」全て記録されたことがあるのは4月だけとか(東京)。
(3~4月気温グラフ。気象庁のデータを使って作成。)
さてこれは「異常」なことなのでしょうかね。
ご承知の通り温暖化は耳にタコほど言われていて。
一方で地球全体としては寒冷化(氷河期)に向かっている、という見方もあるのです。偶然にも、両者均衡して大体平均を維持している、とね。
長いスパンで見れば気温なんか驚くほど上下にぶれています。最終氷河期から2万年とか言いますが、これ以後でも縄文時代はウソみたいに暖かでしたし、逆に1700年頃は「マウンダー小氷期」とか呼ばれる「ミニ氷河期」でした。「赤穂浪士討ち入り」は江戸にドカ雪という設定ですが、1703年の話であながち完全なウソとも言い切れないのです。
ちょっとそういう視点で見てみましょうか。
このグラフは人類が知る最も寒い場所、南極にあるロシアの「ボストーク基地」で、南極氷床にズボッとやって引っこ抜いた氷から解析した地球環境の変化です(クリックでソースのwiki)。横軸が「数値×1000年」、すなわち50の所は5万年前(旧石器時代)、400は40万年前(北京原人の時代)です。現代は左端です。青いグラフが気温で、上に行くほど温暖、下がれば寒冷、緑がやり玉の二酸化炭素濃度です。
これをを見ますと、次第に寒冷になり、下がりきるとガツンと温暖化、伴って二酸化炭素濃度もアップ、と読み取れます。上に書いた「最後の氷河期」「縄文時代の温暖化」は、このグラフの左端に見える寒冷な時期とガツンに当たります。そして同じサイクルが繰り返されるとするなら、現代に向かってダラダラっと下がっているのは、「寒冷化」の方向と読み取れます。
次にこれは太陽黒点の変化をグラフにしたものです(wikiより。他のソースは例えば「the Solar Influences Data analysis Center(ブリュッセル)」)
実は上で書いた「マウンダー小氷期」のマウンダーとは、太陽活動の変化=黒点の増減=地球の気候変動の関係に着目した研究者の名前です。太陽活動は基本的に11年周期で強弱を繰り返しますが、太陽の活動が弱い時は黒点が少なく、上記小氷期の期間、この黒点が少ない時期が妙に長く続いたのを見いだしたのが彼です。
成る程1650~1710年頃に掛けて、11年周期もへったくれもなく「ほぼゼロ」が続いてます。
そしてこれが太陽観測衛星「SOHO」が捉えた2010年4月15日の太陽。
(クリックで「宇宙天気情報センター」)
黒いぽつんは画面のホコリじゃありませんよ。黒点さんです。いっこ。
11年周期に沿うなら、本来このくらい出てて欲しいのです。
ちなみに、1700年代後半から1800年代頭に掛けてもガクッと減ってますが、ここは「ダルトン極小期」で、天明の大飢饉が起きています。1900年代に入ってすぐも低調ですが、ここは東北地方で飢饉が多発しました「寒さの夏はおろおろ歩き」です。賢治は…知っていてもおかしくないですね。
天明の飢饉では、太陽活動の低下に、浅間山やアイスランドの火山噴煙が太陽光線を遮るという現象が加わり、世界的な冷夏と不作をもたらしました。「魔女狩り」「ペスト流行」などもこの頃です。
このところの「極端」に感じられる気温変動は何かの兆しなのでしょうか。浅間山は「静穏化」宣言が出ましたが、桜島は大層ご立腹、そして、アイスランドから噴煙が昇りました。
科学技術に立脚した現代人類が試される時期が来たのかも知れません。
(4/17)
あらら。千葉は降雪の最も遅い記録を更新しました。
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