めいど・いん・じゃぱんの行方

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そのメイドでなくて。
日本の製造業凋落が言われて久しい。だいたい「ものづくり」というのは。
シンプルだが応用の利く機能発明→機能同士を組み合わせた複合商品→機能の価格低下によるコモディティ化
こーいう経過を辿る。「コモディティ化」とは、要するにパーツ買ってきて組み合わせれば誰でもそれなりのものができる状態であって、パソコンなんかその典型である。
日本は従来、この「機能発明」に精密さが要求され、その精密さの故にコモディティ化まで時間が掛かることによって、利益を伸ばしてきた部分がある。ところが現在、その精密さをソフトウェアが賄うために、機能発明もそうでもない、そうでもない故にコモディティ化も早い。コスト競争に陥って安い労働力を有するところが美味しいところ取って行く……こういう構図になっている。ちなみにクルマは、プリウスなんか「複合商品」の例であると共に、電気自動車はコモディティ化の兆候とも言われる。まぁ複雑で精密なエンジンが産業用にゴロゴロしている誘導電動機とインバータで置き換えられるんだから、オレもオレもの流れが出るのは当然だろう。
この流れで日本が生き残る道はあるのか。
応用の利く機能発明という点では、宇宙開発・光通信といった方向がある。「レーザ媒質」なんてどっちにも使える可能性がある。こつこつと積み上げる日本のスタイルに向いている。ただ、産業や一般庶民などマスマーケットに下りてくるのは遙か先のことだ。
複合製品では省エネルギ機器になるのではないか。家庭用太陽光発電装置=太陽電池+最大電力点追従制御(MPPT)+高効率電力変換+逆潮流制御……素性の良い、精密なデバイスとノウハウが根幹だ。組み合わせてシナジーを出す物であるから、単機能を組み合わせて張り付ければ良いわけでもない。
後はもう「日本だけで成り立つように考える」という手だ。例えば炊飯器。日本の米を日本人が美味しく食べるための機械。コモディティ化の余地がない。揶揄として語られる「ガラパゴス携帯」も、本来1台10万とかするデータコーデックと無線通信の先端機器だ。「誰でも買える機械じゃない」レベルに戻してしまえば、スパムは減るし通話品質も上がるし一石二鳥じゃないのか?
よく「デファクトスタンダードを目指す」などと言う。大量に買ってもらえる素地を作って独占して大もうけ、こういう目論見だ。しかし、そこへ大陸や半島が割り込んできて前述の展開、というのが最近のパターンである。これは、デファクトスタンダードを目指しちゃイカンという示唆ではないのか。
アニメにせよ、テレビゲームのハードにせよ、デファクトを目指したと言うよりは、「日本のために」の延長線上だ。例えば現在「テレビ」というと、デカイプラズマを除けば「コモディティ化」が極限まで達した液晶テレビしかない。しかし液晶はどう逆立ちして3Dにしたところで、原理的にブラウン管には絶対に勝てない。中央無線やソニーBVMを越える液晶があるかっての。オレはあの浮いた黒とべたっとした髪の毛の表現がキライだ。何が悲しくてトリニトロンより劣る新型しか選択肢がないのだ。
周りばかり見すぎて足もとがおろそかになってる気がしてならない。
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