人生、これほどまでに「薬屋」に恋い焦がれる日があるのだろうか
会社着いたらくしゃみが止まらない。
「オレサマさん」
「はくしょん」
「明日の会議の資料なんだけど」
「はい……っくしょん」
「コメントあれば」
「えーとはくしょん。我々コンプラときんぴらと天ぷらとガンプラは似ている部においてへくしょっ」
「……大丈夫?」
「くしょっ……ないです。ばひゃっ(←なんだこれ)。はくしょん、べくしょん、あっくしょん!」
夏草の花粉症である。スギ、ヒノキと共に持ってはいたが、本日この時急に出た。
新手の鬱病の紹介じゃ……否否。カモガヤなどのイネ化の草本も立派にアレルゲンなのだ。昨年は出なかったが、今年は出たわけ。GW境に急に春先から初夏にシフトしたので、コイツらもバッと成長したのだろう。
にしても。
「はくしょっ!」
2分
「へくしょっ」
5分
「びゃぁっくしょい!」
スギより激しいんじゃないか。とにかく仕事にならぬ。喉も痛い。
実はこんな事もあろうかと密かにセレスタミンを持ち歩いている。但しこれは仕事中運転中に飲む物じゃないので「適当」な効き目の薬が欲しい。パブロン、コンタック、コルゲンコーワ。あの鼻水が止まる安心を、あの鼻がスーッと通る悦楽を。
ああ、オレは今全身全霊で薬屋に抱きつきたい!
「このひぇんにくひゅりやありまひたっけ」
訊いたらあるある。なんたら屋にマツキヨ、うんにゃらドラッグ。ウホウホファーマシー。
実は前にさいたま(^o^)の出張先で残業時に薬が切れて息も絶え絶えになったことがある。
それに比べれば、嗚呼、薬屋が徒歩圏に幾つもある都会のありがたさ。都会バンザイ。
その時を待ち、薬屋に行けるその瞬間を一日千秋(2時間です)の思いで待ち焦がれ、
ちり紙を我が友に昼までをどうにか過ごす。←仕事しろよ
12時。5分でメシ食って社外へGO!
遊佐未森の「夏草の線路」を頭の中でリフレインしながらビルの谷間を猛然と歩き抜けるオレ。くしゃみ出るな、鼻水垂れるな。
唯一問題は「スギ」の終わったこの時期にまだ花粉症の薬があるかどうか……まぁ最悪風邪薬で代用だな。
「いらっしゃいませ~」
しかし一歩入ったそこはOLだらけ。コスメとサプリがずらり。
クスリは?
眼を細め(痒いのに絶えているので目つきが悪い)、棚から棚へ目を走らせながら店内をそそくさと徘徊(探している、及びOLだらけに場違いなので居心地が悪い)。
「ベンザ鼻炎薬アルファ」
おおっ!おおっ!神はあられた←そこまで行くか
ベンザよタケダ薬品よ、今日の午後は君に全てを掛けるぞ良いな←どんなプレッシャーだよ
思わずニタニタ。赤い目赤鼻で眼光鋭く店内を徘徊し、挙げ句にニタニタ……店員さん真昼の恐怖をごめんなさい
「ありがとうございました~」
30分後。
オレは遊佐未森の「夢をみた」を口ずさんでいた。
ヘヴン……( ´-`)←クスリ、やってます←間違いじゃない←仕事しろよ
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