ぱくり・おまーじゅ・りすぺくと
「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」がパクリ疑惑で回収・絶版へ
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何だかなぁ。まぁ前からこうやって比較検証されたのは知ってたけど。
オレ個人は当該も「ネタ元」も見てないので判断は控えます。ただ「心に残ったフレーズ」がポンと出てきてしまう、というのは可能性としてあり得るとだけしましょうか。
で。
こういうネタ振り返って自分はどうよといつも思うわけで。「心に残って」「ポン」がどこかあるのではないか。
その前に。
今日のお題の解説。「ぱくり」は言わずと知れた剽窃でござる。他人のものをそのまんま自分のものと偽る。要するに「どろぼう」。
「VOW」だと思ったが、読売の社説をまんま朝日の読者投稿にポストして掲載されたのがあった。そういう奴。
「おまーじゅ」(hommage)は尊敬の念を含んだ触発による創作を言う。「ブラック・ジャックによろしく」というマンガがあるが、言わずと知れた手塚治虫の無免許名医である。また、「インディ・ジョーンズ」が007シリーズからの触発で、インディがタキシード姿で登場するのは敬意の表明とルーカスが言っていた。
「りすぺくと」(respect)は敬意である。「自分もこんなのを!」と新しいのが出来れば上記おまーじゅになる。しかし一般にはギャグやパロディとしてワンシーン取り込むと言った使い方を指して言うことが多いようだ。ただ、りすぺくとと称して同じ物作るのはぱくりになる。これ微妙なので実例は自分のを使う。
これで本橋美砂が「えっちなのはいけないと思います」というセリフを言うが、これは中にも書いてあるようにゲームのシナリオにあるセリフである。ただ、その旨書いてある。ちなみにこの話は書いてる本人も予想外に色んな名作のセンテンスが出てきている。ある意味それらの「おまーじゅ」としてひとまとまりになった物だと言えるし、センテンス自体はそのまんまである。但しこれらセンテンスは彼女たちがそれを読んで諳んじている、という意図であり、依ってそこに出ているそのまんまの部分は「引用」である。
以上前振り。
戻って「創作物語の館」の話は基本実体験と最新の科学知見に基づいており、触発元の話は原理的に存在しない。ただ当然、立脚した知見の裾野が広がれば、何らかのバッティングは原理上あり得る。特にレムリアの話は盛大に多ジャンルに風呂敷広げているので相当ヒヤヒヤしながら調べた記憶がある。
しかし幸いなことに?看護師の資格を持った魔法の国の王女様というキャラはおらず、レムリアを名乗る王女様もいなかった。レムリアなんてありがちな名前の気もするが、オカルトでは聖なる大地、人類の起源で神との接点だから、そんなホーリーな名前を人名になんておこがましくてとんでもござらんと考えた人が多かったのだろう。ちなみに「レムリア」で検索すると、呪文中のフレーズや必殺アイテムの部分名、ヒーリング系の団体なんかが出てくる。とまれ「魔法少女レムリア」でやらかすと彼女しか出てこないので一安心だしオレのもんだ。
一方、アルゴ号はというと、そもそもこいつを「脳内進水」させたきっかけ「触発元」は、雑誌「Newton」のふたご座挿絵である。単にアルゴ号が描いてあるだけだが、飛んでるように見えた。ここに同じく「Newton」の「反物質ロケット」の記事を得て、そのアルゴ号が光速で飛び上がったわけである。
但し、こういう「宇宙から水中までのマルチ船」の本家は言わずと知れた「宇宙戦艦ヤマト」である。アルゴ飛ばそうというアイディアの原点にヤマトの存在を否定しない。「おまーじゅ」である。ちなみにこのアニメは「船が空飛ぶくらい常識をひっくり返せ」というプロデューサーの言葉がきっかけで生まれたそうだが、「宇宙船」という概念と言葉作ったのはヴェルヌだし、星の海に最初に浮かんだ船はそれこそアルゴ号である。
また、「反物質ロケットの宇宙船」という観点から言うと、アニメ「ふしぎの海のナディア」に出てくるノーチラス号に先を取られている。ノーチラスの主機関は「常温対消滅」エンジンだが、すなわち燃料は反物質である。アルゴのエンジンが「対消滅」「反物質」という原理概念名ではなく、「光子ロケット」という明確な応用機関になったのはノーチラスへの「おまーじゅ」であり「りすぺくと」であることを否定しない。ちなみに、ノーチラスはそれこそヴェルヌの「海底二万マイル」に出てくる潜水艦の名前で、これは庵野氏がおまーじゅであると自らおっしゃっている。
そして最も真剣に悩んだのが「オーディーン・光子帆船スターライト」である。時期的には「ヤマト」と「ナディア」の中間に存在し、タイトル名で判るようにソーラセイルをプロパルジョンとし、アルゴ座からメッセージが……とこう来る。光圧推進でアルゴというフレーズが出てくる……まで「比較対象」に出来るわけだが、アルゴ号ってワケではないし、コンセプトも船の仕事も違うので問題は無かろうと判断した。但しプロジェクト名の「ムーンライト」は、このオーディーンの存在「スターライト」を意識して避けた「りすぺくと」であることを否定しない。なお、「ムーンライトプロジェクト」はNEDO(独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構)が設定した省エネルギー技術開発プロジェクトの名前だが、光子ロケットは言わばその究極解だし、相手国家プロジェクトなので「りすぺくと」の意を込めてそのままにしてある。
究極の機関を持ち、奇蹟を起こすという究極の任務に就けた。それは触発の根底にある先達への「りすぺくと」として、それを越える存在であるために。
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