イカロスの翼・はやぶさの炎
これは学問カテに入れて良い。
…狙った訳じゃないよ。昨日落ちて今日成功の公式アナウンスがあった。それだけさ。
まぁ「本人」達が言ってんだから間違いねーだろ。「イカロス」の帆が開いた。すなわち、
本物のソーラセイルの展帆(てんぱん)に成功した。
宇宙空間用運搬機械を「宇宙船」というわけだが、「帆を掲げて星の海を行く」が現実の姿となる第一歩というわけだ。
光は「光子」と呼ばれる粒子の性質を持っている。光子の質量はゼロだが速度はべらぼうに速い。このため光子をぶつけることで物体に推進力を与えることが出来る。例えば太陽の強い光を、大量に受け取ることが出来れば、宇宙船を進めることも可能であろう。そんなコンセプトで生み出されたのが光を受ける大きな膜、太陽の帆、ソーラセイルである。
「はやぶさ」
最早説明の必要のない愛おしい小惑星観測衛星である。「めいどいんじゃぱん」が3億キロの距離を行って戻ってくる。
こいつのエンジンは「イオンエンジン」である。…チェーン店の出店メカニズムみたいだが違う。ちと説明がややこしいが、衛星の中に「電圧が掛かっている場所」を作っておき、そこにプラスの電気を帯びた粒子(これがイオン)を吹き出してやると、プラスとマイナスは仲良しなので、マイナスの電源の方へ引っ張られて行く。この反動で宇宙船は推進力を得る。これがイオンエンジンだ。要は電気推進であって、イオンになりやすいガスを積んでおけば、電気自体を太陽電池で調達することで進むことが出来る。炎で進むエンジン(化学ロケット)が、宇宙空間で炎を作るために燃料+酸素を持って行く必要があるのに対し、ガスだけで良い。その分衛星を小さくしたり、また遠くへ行けたりするわけだ。ちなみに「スターウォーズ」におけるハン・ソロのボロ船「ミレニアムファルコン」の主機関がイオンエンジンという設定である。映画の世界を実現する第一歩というわけだ。
そして「はやぶさ」はその長所を存分に発揮し、遠い極寒の宇宙で太陽の光で電気こさえて、複数のエンジンの壊れていない部分同士を電気的に接続して、コンピュータのソフトウェアを作り直して地球から送ってダウンロードして、地球へ向かって帰路についた。後は、小惑星のサンプルが入っているかもしれないサンプルを、地球へ向かって解き放つだけ。
「でも、はやぶさ自身は燃え尽きるんですよね」
うん(T_T)
「クローズアップ現代」の「そんなこともあろうかと」で爆笑し「はやぶさを忘れない」って女の子の手紙で泣いた人挙手ノシ
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