40歳のオヤジが実家に帰ってやってること
>allガキども
この記事に掲載されている全ての写真の利用を許可する。
「眠れない」
「じゃぁセミの子取ってこようぜ」
「うん」
まぁ頑張れ。
何ゼミでしょうね。ここに多いこのサイズのセミはアブラかミンミン。
「あたし眠い…」
「寝てイイよ。まだ掛かる」
問題:この姿勢で何をしているのでしょうか。
落ちそうで落ちない。
同じ姿勢に見えて撮って比べるとやはり違う。
時間の経過はカメラのデータから割り出すこと。
正面から。問題:この状態でドコまで抜け終わっているか。
2匹ほぼ同時に脱皮していたがここで差。これは上の子。
人間で言えばV字腹筋。だけど腹筋で起きあがっているわけではない。
2~3回ごそごそして、後は一気。
ぶら下がりから身を起こすのが一つの難関。さて最大の問題:起きあがるのに必要な条件は何だと思う?
今度は少し上へ登る感じで。
どっこいしょ。見てる側もここで一安心。だけど「ちぇっ!」て思うヤツもあり。
翅を伸ばす。問題:どうやって伸ばしてるんだと思う?
この姿勢も翅のためには必要な条件。…宇宙にセミの子持ってくのはタイミング的に難しいが。←ヒント
おはよう。アブラゼミだったね。7年過ごして羽化して、残り10日から2週間、子孫を残すためだけに生きる。
戻って下の子。こっちも載せるにはワケがある。
同じくどっこい…しかし何か上の子と違う。
あれ?お前いいのか?腹が抜けてきたぞ。
落ちた。這ってどこか登ろうとするが。
深刻な問題が。ツメが立たないのこいつ。
はいもう画像ありません。端的に言えば「失敗」です。ツメ利かない翅飛べない…で、公園の木に置いてきました。
ここに絶妙なタイミングというか神様のいたずらというか自然の摂理があって。
・身を起こす→抜け殻が硬くなる。そこにツメが引っかかるかどうか
・翅を伸ばす→地球の引力で引っ張ってもらう必要あり。平面じゃ駄目
・ツメが引っかかる→翅が広がり始める前で、ツメ自体はある程度硬くなっていなくてはならない
学者の物言いなら全部遺伝子による精密なコントロール。でも全ての個体で上手く行くわけではない。
上で「ちぇっ」とか書きましたが、こういう失敗をわくわくしながら待ってるヤツがおるのです。
このブログで数日前にそいつ出てきます。そいつを撮ったのは、そいつが狙って出てくることを私が知っていたからです。不細工なやつです。7年かかって出てきたところ、失敗するとぱくっと。
自然とはそういう物。
タイワンウチワヤンマ(Ictinogomphus pertinax)
« おまつりDJ | トップページ | 群雄割拠~その傾向と対策~ »
ファーブル博士すごいですね!
自然の摂理…
絶妙なタイミングですね。
ちなみにオレニュースさんのブログに影響されて
僕も個人のブログをはじめました。
投稿: 丸ちゃんカイロのターハー | 2010年7月19日 (月) 00時04分
>丸ちゃんのカイロのターハーさん
人間もちょこっとズレただけでなかなか元に戻らないってコトが良くあります。こいつらの場合生きることすら出来なくなってしまうということで。この後の14日間のために7年過ごしてきたのですが。。。
ちなみにこのヨレヨレの翅に「施術」し、しかるべき形状に整形しても、その形で固定されてはくれません。トレーニングも出来ません。骨をバキっとやろうにも、「殻」が皮膚であり骨なのでどうにもしょうがないのです。
投稿: すのぴ@江戸の外れ | 2010年7月19日 (月) 00時42分
こうやって、劣勢遺伝子は淘汰されていくのね
子孫を残すためだけに土の中で7年も居てこうなると何とも切ない気持ちになりますね
貴重な写真見応えありました
投稿: yu3 | 2010年7月19日 (月) 09時51分
>yu3さん
図鑑の物言いだけじゃ判らない細かいこと。
結果を見ただけじゃ判らない大切なこと。
全てを見届けることで初めて判るものがたくさんあります。
なんてね(^^)
投稿: すのぴ@ディープ千葉 | 2010年7月19日 (月) 17時24分