恋する風景【1】
「四十のオヤジは黙っとれ」
うるせー。
駅で座席争奪戦に参加していたら、前にいる今風の男が恋愛指南書を読んでいる。男女の会話形式で、男の不適切な言動を女がたしなめる、というモノ。
でも良く見たら女のセリフの語尾に「~だわ!」とか書いてある。今日び語尾に「わ」付けて喋るオンナなんかいねーよ。街中でおにゃのこたちの会話聞いてみろっての。
=役に立たねーよその本多分。
大体ね、「好き」って気持ちの本質に机上の空論覆い被せてどうすんのさ。
「失敗して傷付くの怖い」
それはそうだろう。だからマニュアル本で武装する。それはどうだろう。
人間、自分で考えたのではなく、単にマニュアル通りに行動してると、それとすぐに判って何もかも白々しいと思うのではないか?コンビニやファーストフード、ファミレスの「いらっしゃいませようこそ~」をココロからの言葉と受け取る人はおりますまい。それと同じ、いやそれ以上に逆効果。
「心から」に「口先だけ」で応じられてごらんな。
それにオンナって言っても千差万別。大事なのは相手の個性を尊重し、基づいて喜んでもらうことではないか?
「服カワイイね」
「髪似合ってるね」
「そのアクセサリーいいね」
「どんな風に?」
女性だって恋に慣れない頃は相手の不器用にも寛大なのだ。
(つづく)
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