SL乗ってそば食いに
「23日どこか行くぞ」されど貫き通した内緒。総武快速で東京へ出て、新幹線に乗せてしまえば妻と娘にゃどこだか不明。
「もう電車乗りたくない」
“電車”じゃないんだけど。
真岡鐵道「SLもおか」C12 66と50系客車の面々。ホントは泣く子も喚く大型パシの雷撃突進がいいんだけどね。
編成の横付けを待って、むくれる娘さんを機関車へ連れ出す。
ここに水が入っていて、
ここに石炭が入っていて、
ここで湯を沸かして、温かいだろ?
ここに導いてこれを押すと
車輪が回ると。
説明したら娘さん一気にハイテンション。
出発。車内は着席率8割と言ったところ。ちなみに秩父鉄道じゃなくて真岡にしたのはアクセスが悪いので満員にはならねぇだろうと思ったから。真岡にゃ悪いが大井川なんか通路パンパンまで立ち席詰め込んで、子ども達はさておき、オバサン軍団がギャーギャー喚いて車掌がのべつ喋って歌まで歌ったりして“汽車旅”どころじゃないからだ。今回も弁当付きの団体さんがいるにはいたが、まぁ、許せる範囲。
速度は50~60まで加速して以下絶気。シリンダのリズムに合わせてがっつんがっつん加速し、がたんごとんと小気味よくジョイントを叩いて適当に左右に揺れる。カマから引いてくる“本物”の蒸気暖房でちょっと曇りガラス。
「のんびりだねぇ」
とは妻の弁。娘は他の子ども達同様、前へ行ったり後ろへ行ったり。どうでもいいけどデッキのドア閉めろな。
「これで帰って鼻掘ると真っ黒なんだぜ」
「でも窓閉まってるよ」
甘い。
益子着。列車は茂木まで行くがここで降りる。“新そば祭”とかでそば食えるのと、益子焼きの工房で茶碗でもこねてりゃ時間が潰れると思ったから。子連れの場合、茂木や秩父、大井川ではこの“間”が持たぬ。
まぁ改札出る前に列車見送ろうや。同じ目的で機関車の周りには家族連れわんさか。
「かっこい~」
「トーマスみたい」
そうか、そういうイメージか……可愛い機械か、
オラ、知らね。
「発車しま~す」
汽笛一声。
ぶおおおぉ~~~~~~っ!!!
おおこの我が身体共鳴するこの感じ。この機械と身体のシンパシー。
「ぎゃ~っ!」
「こわいよ~」
「うわわわ~ん」
ぼっぼっぼっぼっしゅわしゅわしゅわしゅわ。←リバー全開のドラフトどドレン
「けむりけむりけむり~」
「きゃ~」
蒸気機関車は生きたメカだ。これが「機械」だ。覚えとけガキ共。生っちょろいエレクトロニクスとアニメで知った気になるな。
見送って益子をぶらぶら歩く。焼き物の街に「そば」の所以は、この地域(芳賀郡)で名物にしようという試みらしい。いやこういうプリミティブな食い物追求することに異論はない。変に奇をてらったワケワカラン「特産」や、媚びただけで個性のない「名産」を作るよりナンボかマシだ。
さてそば食って陶芸教室へ向かう。元せとでん使いが常滑ゆかりの妻子を連れて益子でろくろ。なんだかな。
スジがいいじゃないか。焼き上がって届くのは年が明けてから。
帰りの「SLもおか」はガラガラ。逆向き牽引回避のためにターンテーブルまで用意したんだから乗ってやれよ。でもボックスまるごと占領してダラダラ揺られるという汽車旅を満喫できたけどね。
頑張って走れ。C12
真岡鐵道
http://www.city.moka.tochigi.jp/mokasl/
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