生命の条件
地球外生命体? NASA「宇宙生物学上の発見」発表へ
2010/11/30 23:32
米航空宇宙局(NASA)は29日、「地球外生命体の証拠の探索に影響するであろう宇宙生物学上の発見」について、米東部時間の12月2日午後2時(日本時間同3日午前4時)に記者会見することを明らかにした。ワシントンのNASA本部で会見すると同時に、その様子をインターネットで中継するという。
(日経他)
どーなんだろねぇ。
ご存じの方も多いと思いますが、地球という存在は生命の発生における必要条件ではありません。一応、地球における生命の定義を生物学から引っ張ってきますと
・外界および細胞内を明確に区別する単位膜系を有する。
・自己を複製する能力を有する。
・外界から物質を取り込み、それを代謝する(自分の身体及び自分の動力源に変える)系を有する。
じゃぁ核融合炉を内蔵し、その辺の空気から電力を得て動くロボットが、自分の部品を自分で製造して自分の複製を作れるようになったら生命か…
・自然界に存在する4つの力(重力・電磁気力・原子核に関わる2種類の力)の相互作用のみでそこまでたどり着くこと
これも定義に加えておきたいところ。ちなみに膨張宇宙論における星の生産能力を失った宇宙では、電子と陽電子が億光年単位の距離でゆる~く結びついた「ポジトロニウム」を分子とする生命が生まれる可能性があるとかなんとか。
戻って。
個人的な見解を言うと、地球外生命の発見だとしても何もおどろくことはありません。ワレワレの身体はタンパク質で出来てますが、現状想定される原始太陽系の物質をフラスコに突っ込んで、雷を模したプラズマを照射すると、アミノ酸が合成されることが判っています(こういう実験で「はやぶさ」が持ち帰った粒子が役に立つのだ)。また、地球環境自身も、最古の生命が確認されている38億年前と今では大きく異なっており、すなわち生命は変化に追従しながら現在このブログを書いたり読んだり出来ている、とこうなるわけです。従って太陽系物質は生命になり得るし、地球はその結果の一つであって、地球環境に近似であれば地球生命と同タイプの生命が誕生する確率がより高いと言えます。
また逆にその「はやぶさ」が降り立った小惑星「イトカワ」が示唆するところは、「原始太陽系状態そのまま」では何も変化が起こらず、何も生まれない可能性が高いと言うことです。その点で言うと、「常に変化している」星は実は太陽系には多くあります。地球は除いて。
・金星
・火星
・木星
木星の衛星イオ
同エウロパ
・土星
土星の衛星タイタン
・天王星
・海王星
海王星の衛星トリトン
その環境で、どんな生命が?
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