震度とマグニチュード
NZは成り立ちも実情も日本と同じ地震国なんだが、何だろうこの「何もしてなかった」感は。
さてこの地震ネット見てると「クジラの報い」という発言と共に「このマグニチュードで?」という発言が目に付く。
地震国の住人でこの誤解は怖い。
マグニチュードは地震の規模(解放されたエネルギの量)で、震度は揺れの大きさ、というのが教科書的な物言いである。
「規模がデカイから揺れるんだろ?」
星にたとえる。
マグニチュード:その星のサイズ(明るさに比例)
震度:見ている位置での明るさ
太陽は明るいが星のサイズとしては標準的である。一方でアンタレスは太陽の200倍のサイズだが、地球から見たら1等星で、夜じゃないと見えない。
太陽が明るいのは地球に近いから(等級で言うと-27等)。
すなわち、マグニチュードがさほどでなくても、近場で起きれば震度はでかい。
震源の深さが5キロというから、範囲は狭いかも知れないが、震度は大きかったと推定できる。
実はこのクラスの地震で人的被害が出た事例は日本でも多数ある。近場だと2003年の宮城県北部地震が知られる。「1日に3回震度6弱」と言えばあーあーあれかという方も多かろう。あの地震は
発震時刻______震度_M_震源深さ
26日午前0時13分 6弱 5.5 12km 前震
26日午前7時13分 6強 6.2 12km 本震
26日午前10時22分 5弱 4.8 13km
26日午後4時56分 6弱 5.3 12km 最大余震
28日午前4時08分 5弱 5.0 14km
(Wikiより・理科年表で確認)
マグニチュード6で震度6弱。幸いこの地震では犠牲までは至らなかった。同じような状況がクライストチャーチに生じたことは明白で、耐震性が低ければ推して知るべし、である。
ちなみに日本では(特有かどうかは知らんが)マグニチュードの割に…という地震を、その震央地域のごく狭い範囲に被害が集中することから「局地地震」などと呼ぶ。
理科年表から10年スパンで少し拾うと。
1961.2.2.新潟県中越:M5.2。被害地域は直径2キロの範囲に集中。死者5。
1975.1.23.熊本県阿蘇:M6.1。被害地域は一の宮町三野地区に集中。けが人10。
1983.8.8.山梨県東部:M6.0。被害地域は富士五湖周辺。死者1。
10年スパンにしたのは書ききれないから。
また、これとニュアンス違うが、天神にビルのガラスがバラバラ降り注ぐ映像が強烈な印象を残す2005年3月20日の福岡で発生した地震は、M7で、福岡市で震度6弱だが、震源直上とみられる玄界島では震度7相当だったと言われている。
地震が来た時、マグニチュードを考えるのは後で良いし、マグニチュードで判断するのは危険である。
肝心なのはそこでその時あなたを襲う震動の大きさと、
その瞬間に身の安全を確保する方法である。
せめて通勤通学で「この場所で起こったらこう避難する」位の調査と心構えを。
日本に住む限り。
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