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2011年3月29日 (火)

死神の魔薬

プルトニウム。原子番号94。元素記号Pu。輸出貿易管理令2項(1)該当。
ウランと共に核燃料物質として知られる。よらず超ウラン元素は核反応でしか生成し得ない。すなわち、超新星爆発か、意図的な核反応である。
 
もってして「人工物しか存在しない」と良く言われる。正確には間違いである。過去ウラン鉱脈に水が入り込み、原子炉と同じ環境が偶然出来上がった「天然原子炉」が存在、その周囲からプルトニウムが検出された例がある。いやプルトニウムとウラン鉱脈の存在から、天然原子炉が存在し得ることが実証されたと言った方が正しいかも知れない。但し「空気中に存在するプルトニウムと比べて」は詭弁である。それらは原爆そのものを含む過去の大気中核実験でバラ撒かれた物であって、そもそもが存在して良い物ではない。
 
基本的な素性は金属であり、インゴットは磨くと鉛同様の鈍い光沢を帯びると言われる。1立方センチの重さは19グラム。すなわち水の19倍という比重を持つ。仮に10センチ角の「プルトニウムさいころ」を作ったら、その重さは19キログラムあることになる。但しその比重のほどを試した人はいないであろう。何故なら死ぬからである。
 
「プルトニウム」というその名は冥王星と同じくギリシャ神話の冥府の王プルトーンに由来する。ウラン(原子番号92・天王ウラヌス)、ネプツニウム(93・海王ネプチューン)に続いての命名であり、以下の特性を知った上での命名ではない。
 
●毒物
鉛に似ていると書いたが、経口致死量(食っちまった場合)1.2グラムの毒物である点でも重金属の一員と言える。鉛(可溶性鉛塩)が10グラム、青酸カリが0.7グラムであるから、猛毒の部類である。但し「プルトニウム中毒」で亡くなった例は過去にない。何故ならそれより先に放射線障害で死ぬからである。
 
●可燃物
核燃料としてではなく、紙のようにメラメラ燃えるという意味である。学校の実験でスチールウールを燃やして「鉄でも条件さえ揃えばメラメラ燃える」経験をお持ちの方も居られよう。同様に燃える。しかも何もせずとも置いておくだけで燃え出す(自然発火する)。核兵器工場で火災を起こした例が数多いそうだ。
 
●放射性物質
核燃料として見たとき、プルトニウムの核反応の能力(すなわち、同じ質量で比較した放射能)はウランの10万倍である。このため手に持っていると核反応で生じる熱によって次第に温かくなると言われ、塊にして水に放り込むと湯が沸く。16キログラム集めて真ん丸にすると、放っておいても核反応が継続的に生じる「臨界」に達する。このことはコンパクトな原子炉・小型の原爆が作れることを示唆する。
 
●発がん性物質
生体が「放射線を喰らう」ことによる影響は、要するに細胞の遺伝子が破壊されることである。一気に大量に破壊されれば、臓器や気管が丸ごと一式機能不全に陥り、更にひどければ人体丸ごととなる。以下、暫くは生きているが、新しい細胞が作れなくなる結果、身体が壊れて死んで行くという状態があり、遺伝子が傷付くためにがんを誘発する、となる。ちなみに過去、6キログラムちょっとの真ん丸をいじっていた研究者が、それをぼてっと落とすか何かして、4週間後に死んでいる。その全く同じ真ん丸は更にその後もう一人死なせている。なお、上記経口致死量より先に云々の話は、金属としての中毒症状より先に、この手の放射線障害で身体の機能を失って死ぬことを意味する。
 
このように十重二十重の「致死力」を持つにもかかわらず、人がこれを使おうとする理由はただ一つ、得られるエネルギが余りにも大きいからである。原子力発電はもちろん、核兵器としても、「有効度」は毒性を補って余りある、というわけだ。またウランのうち、炉や兵器材料に用いる「ウラン235」は、使えるまで集めるのに、遠心分離機など莫大なプラントと高度な技術を要するが、逆にウランの原子炉さえあれば、プルトニウムは炉の廃棄物から比較的容易に得られる。核武装を企むどうみてもうさんくさい国家が、平和利用を口実に原子力発電をやりたがる背景はそこにある。原子炉を得て発電する。その電力でウランの濃縮プラントを運転し、原子炉用ウラン燃料を得る。その炉から出る核のゴミからプルトニウムを取り出し、核爆弾を作る。それが彼らの目論見である。
 
判っていても手が出てしまう。まさに死神の魔法の薬である。
 
ちなみに、1年間に身体に入っても良い量は、食っちまった場合0.048ミリグラム。吸い込む場合0.000052ミリグラムである。金属なので身体に付いたら払い落とせばよく、そしてマスクなどで吸い込まなければ良いそうな。
 
資料はこの辺とか。

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