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2011年7月28日 (木)

【地震防災】千葉で何かが起こるのか?【2】

【1】で書いた4つの地震について順次書いて行く。
 
その1:想定される地震「アウターライズ」って何だ?
 
4月に1度書いてるが、今回はザブトンで説明する…いやふざけてない。プレートテクトニクスを説明するにはこれが一番いい。
 
・メカニズム
P7270234
左を右の上に載せて、左右からギュッと押し合って出来たのがこれである。
 
右ザブトンが太平洋プレート。
左ザブトンが北日本が載っている北米プレート。

実際このように太平洋が北米の下に潜り込んでいる。両者の境目が日本海溝である。
太平洋ザブトンは後ろ(写真では右側)からグイグイ押される一方、その行く手は北米=日本列島ザブトンが通せんぼしている。
この結果、太平洋ザブトンは「しわ」が出来て海溝のそばでもこっと盛り上がって(rise)いる。この盛り上がり領域を「アウターライズ」といい、ここを震源とする地震が「アウターライズ地震」である。
 
さて、東北地方太平洋沖地震の結果、実際震源近くのアウターライズ領域では、このように太平洋ザブトンの上に、北米=日本列島ザブトンがドンと乗りあげた状態になっている。前記通せんぼが外れた状態なのだ。この結果、太平洋ザブトンは、
(1)自重で沈む
(2)上から日本列島ザブトンが押している
(3)シワが戻ろうとする
の3つのストレスが作用している。この結果、アウターライズの部分にヒビが入る。これが地震になる。
 
・特徴
隣のザブトンで、しかも陸から遠いところで起きる地震なので、自分のザブトンに伝わる震動は少ない。つまり地震の揺れはそう大きくない。
一方でザブトンのシワが大きく変形するので、津波は大きい。すなわち「揺れが小さい割に津波が大きい」いわゆる津波地震になる。類例は昭和三陸地震津波(1933)で、これは明治三陸地震(1896)に伴うアウターライズと言われている。
 
・備え
当時のこと、小さい地震の後に突如大津波が来たわけで、その驚き、恐怖はいかばかりであったか。幸いなことに我々は早期に探知するシステムの元に生活している。「そういうパターンがある」という知識さえあれば、警報に基づき逃げることは可能であろう。なお、今回の場合、当該ザブトンおよび、上記(1)~(3)のストレスがかかっているアウターライズ領域は、昨日↓図版の黄色い領域右側に広範に広がっていることに注意しなければならない。要するに「昭和三陸以上」の津波になる可能性が充分あるということだ。
 
(つづく)

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