【地震防災】千葉で何かが起こるのか?【3】
まず記事を書く前に小松左京さんへのお悔やみを申し上げておこう。「日本沈没」は「Newton」主筆、故・竹内均東大名誉教授の提唱したテクトニクスによる海溝型地震がベースになっている。
本題
(2)隣接する地域の地震
・メカニズム
(Newton 2011年6月号より)
…丸写しもたいがいにしておく必要があるが。
これは22万人犠牲になった(但しソマリアにも津波が行ったはずだが人的被害一切不明)2004年12月スマトラ沖の超巨大地震(M9.1)とその後の余震分布である。3ヶ月後の2005年3月に隣の領域でM8.6。2007年9月にM8.5など、それだけで国家の存亡に関わるような余震が続いた。このように本体に隣接する「本体と地質学的に同じ構造を持っている領域」で、本体と同じメカニズムの地震が起きる、同じ事が東北地方太平洋沖地震でも起きるのでは?というわけだ。これは二人三脚、三人四脚で、1人がこけると隣も引きずられてこけるのに似ている。そして、その候補が
画像引用元・気象庁さん。
青く囲ったこの辺で、房総沖もその一つ、というわけだ。でも北の方は十勝沖地震が2003年と比較的新しく、2人3脚で言えば先にこけた方だし、房総沖に関しては、
(再掲)
で、房総半島沖に一本スジが描いてあることから判るように、トラフ(=海溝もどき=海溝よりは境目の勾配が緩いプレート境界)を介して南方からフィリピン海プレートに押し上げられている。二人三脚で言えば、関係ない関取が横から二人三脚をぐいぐい押してるような物だ。
福島沖クンも茨城沖クンも倒れたが、房総沖クンは横からグイグイ押されてしかもフィリピンが下に潜り込んでいるので、引きずられても「こけようにもこけられない」というのが正直なところではないか。ただ、こけた茨城沖クンが引っ張り続けているので、境目にストレスがかかって
(引用元・Hi-net)
細かいのがずーっと起きてると。でも、フィリピン海プレートの上に乗りあげてる房総半島丸ごとを引きずり動かすまでのパワーはないと思う。ちなみに、フィリピン海と房総沖(を含む北米プレート)の境目が大きく動く地震が関東大地震(関東大震災)だ。
・特徴と備え
でかくは動かないかも知れないが、千葉県東方沖(1987)はそうした3つのプレートのせめぎ合いで生じており、同規模のM6~7クラスとして表れることは充分にある。ただ、関東は元々そういう地域なので、同様の警戒内容で良いと思う。
北の方も、北海道東方沖(1994)、十勝沖(2003)、三陸はるか沖(1994)など既に起きており、スマトラみたいな大地震になるには事後のエネルギの蓄積が少なすぎる。しからば、これらはM8クラスであるから、余震の経験則(本震より1~2小さいマグニチュードの最大余震が発生する)を当てはめ、最大でもM7級と見ておけば良いのではないか。釧路沖(2004)、根室半島沖(2004)あたりが目安になるだろう。
え?断言調だがいいのかって?だって東北地方太平洋沖地震をもって根室半島沖から茨城沖まで、10年掛けて一通り海溝型の震源域動いたことになるんだぜ。スマトラは本丸が動いてから周囲が動いた。日本は周囲が先に動いて最後に本丸が動いた。そう考えればスッキリする。それに一本溝2枚構造のスマトラと、複数溝4枚構造(関東の地下にフィリピンの切れっ端が別に独立して沈んでるから5枚という説もあり)の日本。同じになるわけ無い。参考にしても良いだろうが同じ経過を辿ると考えるのはかえってキケンじゃろ。
(つづく)
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