【地震防災】千葉で何かが起こるのか?【終】
久々に携帯の緊急地震速報がう゛ぃう゛ぃ言いました。
まぁこんなもんです。備えあれば憂いなし。
さてシリーズ最終回。
(5)千葉に被害を及ぼす地震
東北地方太平洋沖地震が何らかの引き金になりうる。というパターンは一通り書いたので、最後にタイトル通り千葉にフォーカスし、「千葉で被害を出すような地震」にはどんなものがあるか書き並べてみたい。
選定基準は19世紀までは人的被害が顕著なもの、20世紀以降はそれに加えマグニチュード7以上とした。
1605 慶長地震(M7.9) 津波 犠牲多数 (3)
1677 延宝地震(M8.0) 津波 犠牲246以上 (3)
1703 元禄地震(M8.2) 震害・津波 犠牲6534 ★
1854 安政東海地震(M8.4) 津波 犠牲3 □
1855 安政江戸地震(M7.0) 震害 犠牲20 (4)
1909 千葉県東方沖(M7.5) 小津波 ■
1923 関東地震(M7.9) 震害・津波 犠牲1342 ★
1953 房総沖地震(M7.4) 小津波 ■
1987 千葉県東方沖(M6.7) 震害 犠牲2 ▲
ここで★はプレート境界型で関東地震系列(余震は含まない)
□はプレート境界型で東海・東南海・南海地震系列
■はプレート境界型で日本海溝沿いで起きる地震
(3)(4)は今回取り上げた津波地震や直下型
▲はプレート内部で生じた地震である。
(ネタ元:理科年表・Newton別冊「連動して発生する巨大地震」・千葉県に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴)
これから言えることは、関東地震系列(北アメリカプレート=フィリピン海プレート間の地震)では、房総半島南部が震源域の一部であり、震害・津波共に甚大であること、東海地震系列でも津波の被害を受けること。
関東平野直下のプレート内で生じるものでは震害を受けること、である。
そして…このシリーズの冒頭に戻るが、「房総沖」(■系)はマグニチュードは7を越すものの、震害・津波とも同じM7クラスの宮城県沖地震(通常のタイプ。東北地方太平洋沖地震や貞観地震はこれの化け物)よりも一回り小さく出ている、ということが言える。これは、房総半島と日本海溝との間の距離が宮城県沖に比して長く、震源との距離が遠いこと、津波を増幅するリアス式の海岸で無いこと、などが主因と考えられる。但し延宝地震では大津波を受けていることは前述の通りであり、津波自体が起きにくいわけでは無い。
・千葉の地震傾向と対策
関東地震は200年程度のスパンを持つことが海岸段丘の調査から明らかであり、先回1923年より次は22世紀以降と推定される。
房総沖は大地震ではあるが、スマトラに付随したような「隣接した地域で生じた巨大地震」にはなりにくい。いまコレを読んでる千葉県民の皆さんは、3月11日午後3時15分に生じた最大余震(茨城県沖M7.7)を経験されていると思うが、あれをイメージして頂ければ良いと思う。震度5クラスであり恐怖感を持つが、家屋倒壊のような事態に至らないことは想定されよう。震動が収まってからでも津波へ対応する時間はある。
延宝地震タイプはひとえに津波対策に尽きる。東海地震系は起きてから津波対応を考えて頂ければ良い。
対策が難しいのは直下型、となる。ただ、これは逆に津波は無いので、とっさに身を守る方法を日常の行動範囲で決めておく、ということになる。
「房総沖の地震確率が過去最高」センセーショナルだが、切り分けて行くと殊更に恐れる必要は無いし、恐れるだけじゃ何の意味も無いことは明かである。いつ来るか知りたいという方は多いと思うが、来ると分かっても何もしなければ何の意味も無い。え?逃げるため?余震が収まるまで帰って来ないつもりですか?
日本に居る限り、地震の被害を免れる土地はありません。
(おわり)
参考:千葉県防災ポータル・千葉市防災ページ
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