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2011年9月28日 (水)

たまには最先端の話をしよう

アインシュタインの「相対性理論」(特殊相対性理論・一般相対性理論)は、物体の運動力学と電磁気学を一つの理論で記述できる、という点で革命をもたらした。それまで、物体の運動は質量と時間の関数であり(ニュートン力学)、一方で光を含む電磁波の速度は誘電率・透磁率という時間に関わりを持たない数値で決まっていることから、光の動きをニュートン力学で捉えることができなかった。そこで「光の速度はどんな場合でも一定で、実は質量とか時間の方が変わるんじゃねーの?」という常識超えた発想で理論を組み立てたところ、その発想の通りで光とニュートン力学の間の壁を突破できた、というのがその大雑把な説明である。そして、ここから導かれた結論が、
・質量ゼロの物体の速度は光速となる
・ニュートン力学は運動速度が遅い範囲で成立する「近似式」として扱ってよい
・僅かでも質量のある物体を光速に加速するには無限大のエネルギが必要
および、物体はその質量に光速の自乗を乗じたエネルギを有する・・・有名な式E=mcである。
 
この相対性理論の登場は、極端に速度・質量・重力の大きな世界をダイナミックに描き出すことになり、とりわけ宇宙の理論、核反応の理論に大いに進化を与えた。ブラックホール(自重でどこまでもつぶれて行く星)、原子炉・原子爆弾はその大きな帰結である。
 
そしてこの帰結は、人類に対しある可能性を示唆した。ブラックホールという天体力学の極北(やたらでかい)と核反応(やたら小さい)の両極に波及していることに象徴されているが、宇宙開闢からこの世の成り立ち全てを一発の理論で記述できるようになるのでは?という目論見だ。統一理論と言い、以下の4つの力を統合的に記述できる理論を目指す。
・万有引力
・電磁力
・弱い相互作用(原子核レベルで働く)
・強い相互作用(同)
アインシュタインもこれを目指していたといわれる。そして人類はここまでに万有引力を除く3つの力を一つの理論で書くことに成功している。
 
しかし、そこから先が進んでいない。ひと頃「超ひも理論」(スーパストリングス・セオリ)がこれを実現する最有力候補、とされたが、扱う数学が無茶苦茶に難しく、仮に正しくても、
 
「この世は26次元で振動するひもで構成され、うち11次元で私たちの住む時空が構成され、7次元は物体の構築に用いられて物体の中に閉じ込められている」
 
こういう記述になる。「自然は単純で美しい」とは他ならぬアインシュタインの言葉だが、人類の試みはそれこそ「絡んだひものように」ゴチャゴチャしていたことは否めない。そこへ飛び込んできたのが「ニュートリノは超光速で運動する」可能性を示唆した今般の実験である。
 
ニュートリノは核反応で発生する。正確に言うと「核反応前の物質が持つエネルギ総量(上述mc)と、核反応後にできた物質のエネルギ総量を比較したとき、エネルギの総量は一定というエネルギ保存則に従うならば、ニュートリノが発生している、と考えないとならない」というものだ。実はニュートリノはひと頃、光の粒子「光子」と共に質量ゼロと考えられていたことがあった。これを自然界で最大級の核反応である「超新星爆発」から検出し、ノーベル賞を得たのが小柴。そして質量があると確認したのが小柴の編み出した「スーパーカミオカンデ」における実験結果である。
 
ところが今般、イタリアにおける実験で「ニュートリノが光速以上で飛行する」という実験結果が出たのだ。これは相対性理論を覆す内容であると同時に、超新星由来の観測と矛盾する。
 
確かに、SFでは「光速の壁」は一つのテーマで、ニュートン力学領域から加速するから無限のエネルギーを要するのであるから、一瞬で超光速域へ「遷移」すればよいというアイディアが出た。スタートレックにおけるワープスピードであり、スターウォーズのライトスピードである。但し、これら速度を一瞬で与えるという理論的裏付けは無い。ちなみに、有質量の物質が加速して光速を越えると言うことは、質量・エネルギ共にマイナス、その時間は逆行という想像を絶する状況を呈する。果たしてイタリアのニュートリノは時間線を逆行するのか。
 
実験結果を見ると、距離から推定される到達時間に対し「60ナノ秒」…すなわち光と同時に走らせると、ニュートリノが18メートルの差を付けて勝った、という結論になっている。学者たちの見解は当然、二分しており、これを素直に受け入れ、相対論がニュートン理論を包含するように、相対論を包含する新たな理論が存在する、と提唱する一方、実験の間違いを疑った方が良いという向きもある。前者は超ひも理論による「こじつけっぽさ」を払拭する可能性を提示するが、多くの学者は後者である。何故なら、今回実験の距離の算定に利用したのはGPS…すなわち電波=電磁波による位置決めだからだ。電磁波で電磁波の誤差を吟味できるか?という話である。
 
21世紀初頭現在の人類が持っている理論的に明確な最高速度の原動機は光子ロケットである。100年後の実用化を目指して概念設計が始まっている。それは月旅行を夢見たジュール・ヴェルヌの頃と同じタイムラインである。比して今回の実験結果が正しければ、「超光速ニュートリノ」を使って宇宙船の加速を行うことが出来る。要は宇宙船に加速剤をぶつけて速度を与えるのだが、質量ゼロの光より質量を持つニュートリノ方が遙かに高効率だ。
 
アインシュタインの元論文「運動する物体の電気力学」の発表より100年余。人類は新たな地平を切り開くことが出来るのだろうか。・・・なんちて(^^)

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