日本列島に住まうということ~10日遅れた防災の日に寄せて・前編~
日本列島は温暖湿潤気候の中にあって、ハッキリした四季の変化と雨季を持ち、生物の生存に欠かせない水、人間の生存に欠かせない動植物漁業資源いずれも潤沢で、居住環境としては世界の中でも極めて恵まれていると言える。しかし反面、台風と大雨、地震・津波・火山噴火の発生頻度も世界の中では例外的に高い。
そうした自然災害の中には、日本が殆ど全滅状態になったのでは?と思えるような甚大な規模のものも過去にあったようである。学術的証拠からは火砕流による九州の縄文文化滅亡、弥生時代の大津波痕跡があり、他には旧石器時代からの生活址連続性の途切れや、貝塚生成の突然の終焉など、「突如、誰もいなくなった」としなければ説明できない事象も多い。
それら大破滅(カタストローフ)は歴史時代になってもう起こらなくなったのだろうか。大規模な地質変動の痕跡が目に付く太古に比して大人しいような印象を受けることは確かである。しかし我々が知りうるのは地球全体の歴史においてほんの目先数ミリに過ぎず、そこから地球のリズムを全て推し量るなどおよそ困難である。恐竜は億年という単位を生きた。比して人類はサルとの区別が付かぬ草創期まで含めても未だ700万年である。
地震にせよ台風にせよ、その放出エネルギに基づき数値でカテゴライズがされている。しかしそれは「数値最大が上限」を決して意味するものではなく、人類がそれ以上の有無を単に知らないだけである。例えばメルカリ震度階に気象庁震度階級の7相当は存在しないしその「震度7」も当初は存在しておらず、新潟地震の被害状況に基づいて6では足らぬと追加設定されたものだ。それが初めて実際に適用されたのが兵庫県南部地震であり、それとて上限では無いのかも知れない。台風も然り、↓めめ記事で人類が知りうる最強の台風は870hPaと書いたが、今より温暖だったとされる恐竜時代の熱帯低気圧が果たしてどれほどのパワーがあったのか、我々は知る術を持たない。
(つづく)
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