千葉で何かが起こるのかII
んも~。取り上げざるを得まい。
前にも書いたが房総半島を含む関東南部は南から「フィリピン海プレート」にド突きまくられている。
海に引きずり込まれる動きだが、我慢できなくなるとビヨンと跳ね上がる。これが「関東大地震」である。相模湾を震源とする大正関東地震(1923年・関東大震災)タイプと、房総沖も連動する元禄地震(1703年)タイプが知られる。合わせておおよそ200年くらいの周期で動き、前回1923年より次回は22世紀に入ってから、というのが大方の見方である。
コレを踏まえて。
でもだからといって200年完全に沈黙するかというとそういうわけではない。6年間隔くらいで摩擦のデカイ部分がずるっ、ずるっと動くのだ。これが「スロースリップ」と呼ばれる現象で、1980 年以降これまでに約6 年の間隔をおいて5 回(1983, 1990,1996, 2002, 2007) 観測されている(ソース※1)。このうちの2007年の活動では、8月16日にM5.3(最大震度4)、M4.9(最大震度3)、M4.7(最大震度3)の地震が発生、8月18日にM4.8、震度5弱の地震が起きている(※2)。
やらしいのは。
1987年千葉県東方沖地震(M6.7・死者2)のメカニズム解析(※2)。
に代表される、M6クラスの地震が「スロースリップ6回分程度一気に動いた奴」と考えられることだ。6年ごとで6回、すなわち36年ごとに大きめの地震が伴う、というのである。
「この近辺で起きた過去のM6 地震を探すと,震源の浅い関東地震の余震を別にして,1912 年M6.2,1950 年M6.3 が拾い出される.また,1950 年のメカニズム(Ichikawa,19717)) は,1987 年のメカニズム(Okada and Kasahara(1990)3)) と同類である.これら3地震を固有地震の再来とすれば,その発生間隔は,前述の値と合致する.以上によれば,次回の固有地震発生は,あと2回分のスロースリップの後,2020 年前後と推測される.」
(※2)
ちなみにこれらの解析図は、「太平洋プレート(PAC)」が北西から南東へ、「フィリピン海プレート(PHS)」が南東から北西へすれ違うように動いたことを示している。
「あれ?6年ごとなら2007年の次は2013年では?」
そう、それが本質。少し繰り上がって発生したのだ。応じて「スリップの量は少ない」そうだが、何せ太平洋プレートは東北地方太平洋沖地震で少し押し戻された(東方向へ動いた)。
まとめる。
・スロースリップは6年ごと程度で発生し、M4~M5クラスの地震活動を伴うことがある
・36年間隔くらいで一気にずれることがあり、その場合M6.5クラスの地震を起こす
・前回M6.5クラスは1987年に生じており、次回は2020年頃と見られていた
・東北地方太平洋沖地震に伴い太平洋プレートが動き、スロースリップが想定より短期間で生じた
結論1:スロースリップ活動に伴う地震が発生する可能性がある
結論2:ちょいと大きめのも早めに来るかも
フィリピン海プレート側の移動量が前回より少なく、従い地震が起きたとしても開放されるエネルギは小さく、各イベントで通常生じる地震よりは小さいと思われる。逆に言うと各イベントで過去に起きた地震を最大と見ておけば良い、という考えになる。
今一度落下転倒対策の確認、地震が来たときの初動対応訓練を。
ソース※1http://www.jma.go.jp/jma/press/0708/18a/kaisetsu200708180630.pdf
ソース※2http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou79/04_03.pdf
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