知識と情報の連携
ミンダナオ島に台風21号「ワシ」(わし座のワシ)が上陸して1000人以上の死者行方不明が出ている。
どんだけの台風かと思ったら
996hPa(デジタル台風データベースより)。
積算雨量は推定で200mm内外。
日本の感覚では「え?何で?」であろう。へっぽこ情報収集能力を駆使して状況を調べると。
・鉄砲水・土石流が発生した(地形や土壌と関係する)
・真夜中に上陸・通過した(情報提供が遅れた)
・滅多に台風が通る土地では無かった。
3番目を不思議に思う方は多いであろう。フィリピンは台風から逃れられない。実際ルソン島での台風被害は多い。
しかし、台風がこの海域で北緯10度以南を進行することは滅多に無いのだ。太平洋高気圧が年中卓越するが、その風はユーラシアに近づくと北へ流れる。この結果台風は南東から北西へ進行するのが常。
このブログを見て下さっている方の中には、私が夜っぴて地震の経過や雨雲を追いかけている場合があることをご存じの方もあろう。断層の位置、震源による最大震度の推定、津波の有無や到達までの時間、大雨台風での災害予測・・・そうした事前情報収集によるリアルタイム対応。
防災ってのはそういうモンだと思うのだ。その点で、この災害は大雨が降ったら何が起こるか、台風が来ることの予報、予報に耳を傾ける気構え、恐らく充分な周知インフラ、その全てが足りなかった。
「何が起こるか」判って「いつ起こるか」判っても「何もしない」なら結果は同じ。備えあれば憂いなしとはまさにこの事。
ニッポンの国際協力というのは、自転車操業の嘘つき国家に5億スワップ出すことでは無く、こういう方向で手段を提供することだと思うんだけどね。
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