爆発のある風景
午前9時18分。
「ばーん!」
正確には「PAN」と「BAN」の中間的な音がし、鼓膜が一瞬鋭く張り詰めるように痛みを伴って震え、みんなが一瞬身体を震わせ、
「わ」「お」と言った声があがり、
「おしおきだべ~」
と言わんばかりの小さなキノコ雲が立ち上る。
我が職場で季節に一度は見られるほのぼのとした日常のワンシーンである。
修理対応と同じスペースにあるので、壊れた奴に電気を通した結果、こうなることはままあるのだ。
最も、昭慶電気爆発の場合、爆発と共に、その大電流が流れている部分が焼き切れるか吹き飛んで消滅するため、発熱が継続することはまずない。
に、しても「生の爆発」に遭遇することは人生そうそうあることでは無い。なのに、人死にの出た爆発、および、ハインリッヒの法則に言う「重大インシデント」に相当する爆発の双方に過去遭遇している。
人死には立てこもり犯が威嚇のつもりでガソリン撒いたところ気化して火が付いた、というもので、火の玉が出てガラスが震えた。この場合、大量の空気が熱膨張というプロセスを反映し、擬音で書けば「ZUBOOON」になるか。人が死んだので言葉遊びみたいな事書くのは気が引けるが。
重大インシデントは小学生の時だ。塩酸と金属で水素作って試験管にため込み、マッチの火を近づけてPON!てのをやったと思うが、オレはその火をフラスコに近づけた。
「BANG!」
フラスコはコルク栓ごと首から上が吹っ飛んで天井に穴を開けた。誰かに当たったかも知れないし、フラスコの塩酸が飛び散る危険もあった。インシデントである。
……話を書くのが趣味の人間として、少なくとも、これら経験が、「物理的機序に基づく爆発の様態表現」に大きく寄与していることは確かである。それは又、よく使われる「どかん」「ぼむ」「ちゅどーん」が適切な擬声語ではなく、テレビ映画の爆発音、とりわけ「サンライズ爆発」が嘘ばっかりであることを教えてくれる。
今日も一日ゼロ災ヨシ。
電源投入前の配線確認ヨシ。
みなさん、ご安全に。
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