【長期考察シリーズ】「不良低減」に品質工学を使うには?(1)
不良率:生産数における不良品の割合
一般に日本の企業はPPMという単位で管理する。
PPM:parts per million 1ppm=1/1000000
つまり、不良率1ppmとは、100万作って不良が1。1パーセントは100作って不良1。
パーセントの1万倍厳密な管理。しかし、ここで注意すべきは、、企業側には「星の数ほど作ったウチの1つ」であっても、それを引いたお客様には「ただ1コ買ったその1コ」が不良であり、しかるに不良率100%なのだ。
「ちょっとくらいいいじゃん」
言われた側はブチ切れるだろう。なめとんかと。でも、不良低減に対する真摯な姿勢が見られない企業は、大抵、この「ちょっとくらい」の側であり、っして遠からず没落している。
戻って。
品質工学ネタ3年ぶりだから復習も込めて書き出すと、品質工学に基づく「品質の向上」とは、製品の持つ「機能」を簡単な一次関数で評価し、その関数の傾きを理想に近づけて行くことを指す。どちらかというと「効率」に親和性がある。比して不良とは、この関数・直線の成立を妨げる、或いは直線の傾きを変えてしまう因子の一種であり、品質工学が目指す「どんな変動要因を放り込まれても傾きを保つような設計値を見出す」(パラメータ設計)の概念とは相容れない。
相容れない。イコール、使えない。……本当だろうか。それが今回の出発点である。
(この記事は不定期)
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