名古屋人として来るべき東海地震に備えて【4】
スマトラ沖地震・大津波(2004年・M9)の後、日本でM9発生の可能性がささやかれ始めたとき、学者らが予測した震源域は、東海+東南海+南海+日向灘沖+南西諸島沖という、都合1000キロ以上がいっぺんに動くというものだった。根拠としては、三連動でも説明できない大きな津波痕跡・地殻変動が、東海地方から南西諸島で見つかり、しかもこれらが同時期に生じたと推定されることからだった。
一方、東北地方太平洋沖地震では、貞観地震のエリアに加え、どうやら明治三陸地震のエリアも一部同時に動いたらしいという解析結果が出つつあった。しからば、明治三陸と似たような地震とみられる慶長地震を念頭に、①慶長地震が明治三陸と同じメカニズムを有し、②東北地方太平洋沖地震と同様、東海・東南海・南海で動くならば何が起きるか、と仮定して算定されたのが、2012年に出された推定である。すなわち
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東北地方太平洋沖地震=貞観地震+明治三陸地震
近未来南海トラフ地震=宝永地震+慶長地震
※慶長地震の震源は明治三陸と同様のメカニズムとする
この状況で再検討されたのが、現行の東海・東南海・南海地震三連動モデルであり、そのエネルギの総量は「M9」なのである。
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「日本沈没」という小松左京の小説・映画をご存知の方は多いと思うが、あれはあの時代の知見に基づき「想定される最大規模の地震」と伴う付随災害、パニックなどを描いたものだ。さすがにフォッサマグナが本州全体でカチ割れることはないと思うが「フォッサマグナの陸域も一部震源に含まれる」ことが現実味を帯びてきた。すなわち、同じことを21世紀現在ただいまの知見に基づきやってみろ、というのがこの記事の命題、ということになる。
では以下、文献に残る宝永地震の状況に東日本大震災の被害状況をオーバラップさせ、何が起こるか、考えて行きたい。
※用語の使い分け
「東北地方太平洋沖地震」:地震の現象そのものを扱う時に用いる
「東日本大震災」:地震で発生した各種災害(震動による建物被害、土砂崩れ、津波)を表す際に用いる
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