もっともっと、神の
パズル、じゃねーよ(判る人どんだけ居るんだ)
神の粒子・ヒッグス。
素粒子物理の先端を行くので説明が難しいが、フロギストン説やエーテル説の質量版だと書けば判る人はそんな説明いらんか。
さて。
説明するために「質量」というものの考え方について、皆さんの常識的理解を少し外れた方向で説明する。
人は朝起き上がるのに力が要る。クルマはどう軽く作っても加速するには時間が掛かる。これは「運動」という状態が、質量あるものをエネルギ使って動かす行為であるからに他ならない。逆に言うと、状態を変えるのにエネルギを必要する性質が「質量」である。
質量がないのは光子であるが、その代わり常に秒速30万キロで飛び続けていて、止まることが出来ない。
コレを踏まえて。
物質を激しくぶっ壊して切り刻むと、陽子と中性子を構成する素粒子「クオーク」、電子とその仲間の素粒子「レプトン」に別れる。そして、これら素粒子間に働く力、更にぶっちゃけては磁力や重力などは「ゲージ粒子」という素粒子が媒介する。
で。
こいつらデカイ電磁石で加速できるが、同じ速度に達する電力に素粒子ごと違いがある。これはそれぞれが異なる質量を持つことを意味する。そこで物理学では、「何か加速の邪魔をしている」ものがあると考えた。仮にそれが粒子であるなら、質量を与える粒子ということになる。そしてその質量粒子は空間を満たしており、クオークやレプトンは質量粒子にぶつかりながら進むので加速にエネルギを要する、と考えた。この粒子、及び粒子に満たされた状況を、考えた男の名を取って「ヒッグス粒子」「ヒッグス場」と呼ぶ。人はプールの中では自由に歩いたり走ったり出来ないが、この場合プールが「ヒッグス場」であり、プールを満たしている水が「ヒッグス粒子」である。
すると、じゃその粒子や場はどうやって出来たんだいと言う説明が必要になる。物理学ではそれを宇宙創成に求める。宇宙創成の高温高エネルギ状態から冷えてくる過程で、「ヒッグス粒子」とそれに満たされた「ヒッグス場」が存在せざるを得ない状況が生まれたと考えたのだ。これは、「水」が0度以下では氷で、100度以上では水蒸気でしか存在し得ない状況と似ている。こういう性質の変化を相転移という。ヒッグス場は宇宙という空間その物の相転移により、存在することを余儀なくされたわけだ。その結果、同様にクオークやレプトンもヒッグス場によって自由に運動できない状態となり、質量を得ることとなったのである。
今回の実験は、「じゃぁとてつもないエネルギ与えて、陽子2個だけ、宇宙創成に近い状態に持ってって見よう。そうすれば相転移が逆向きに生じてヒッグス粒子が引き剥がされるはずだ」というものだ。その結果、まず間違いなかろうというデータが出始めたので、発表に至った、というわけである。
この先はSFになるが、ヒッグス場・ヒッグス粒子に自由に相転移を与えることが出来るようになれば、質量が自由にいじくれることになる。質量がその物質自身の相と分かちがたく結びついていたらアレだが、こと面倒な加速減速・とりわけ恒星間航行に必要な高速度を得る方法に具体性をもたらす。
まま、他人の成果を横取りしてウリニダ言う国には好きにやらせて、ワレワレ日本人は前と高みを見ていましょうや。ちなみにCERNの超伝導コイル日本製。粒子検出のセンサも日本製。テレビやスマホみたいなパーツ買って来て組み立てれば一丁上がりみたいなのでシェア取られたからと言ってガタガタうろたえるひつようはありません。
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