ひょいひょい飛んでるけどひょいひょい見えるもんじゃねーよ
母親からメールが来た。
「今夜しし座流星群が見えるって?」
・・・!?
デジャヴだなと思ったら、先月のオリオン群でもタイムライン上でみんなソワソワしてた。でもなまじっか女性が多いもんだから「悪いけどまず無理っす」とは書けなかったとここで告白しておく。だって身も蓋もないじゃん。
でもこうなると少し触れねばなるまい。要するにメディアが煽っているのである。結論から言う。
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んな簡単にひょいひょい見えるもんかい。
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しし群について言えば、2001年に1時間5000個飛ばして文字通りの流星雨になった。「メテオストーム」(meteorstorm:流星嵐)などとゆー歌詞にでも使えそうな用語があることを蛇足しておく。で、新婚の妻引っ張り出して富士山に登り、寝袋に収まって夜っぴて見物したのは前にも書いた通り。
こいつは母天体テンペル・タットル彗星のまき散らした文字通り星屑の帯(ダストトレイル。スターダスト・ストリーム、と書いた方が、かっこええっちゃかっこええが)を、地球が横切る際に降って来る。が、この彗星が33年周期で、星屑もそれについて回るため、その影響をもろに受ける。2001年の場合、98年に同彗星が接近したので、という説明になる。それから何年経った?14年。同彗星は太陽から最も遠い位置にある。すなわちロクに見えるわきゃねぇ。ちなみに98年にやはり富士山まで弟と出張って6時間258個という観測結果を得た。この年の公式記録は1時間に50~100個だそうだ。しし群は明るいのが多いので、都会の照明にスポイルされるものは少ないと思うが、今年の予想はざっくりその1/10である。まぁ一応、天文学的に正確な17日の午前2時ごろあたり見上げてりゃ1時間に1~2個見えるんじゃないの?と書いておく。
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で、あるからして、公式が10~20個/1時間と予報していたオリオン群なんか見えるわけねーだろとなるし、そのくらいで見える見ろ見ろと煽るのは風邪引きの大量生産だとプンプン怒りたくもなるのである。なお、6時間258個は寝転んでぶっ通しで見上げ続けて、であることに注意願いたい。視界に夜空しか入れてない状態ということだ。街の片隅、ベランダに座って、熱い茶を手に空を見上げる、な~んておしゃれなスタイルではその半分も見えはしない。
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「でも流れ星見たいよ」
そういう向きには俗に三大と言われる次の3群を薦める。おしゃれな観測(なんぢゃそら)でも10分粘れば1コは見えよう。本日から近い順に書くと、
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・ふたご群
12月13日の夜から14日の朝にかけて。公式予想で50個/時間
但しめったくそ寒いので、14日早起きして夜明け前の流星群としゃれ込むのも手
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・しぶんぎ群
13年1月4日早朝。公式で30/時間
しぶんぎは「四分儀」で天体観測用具の名前。以前そういう名前の星座があった。
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・ペルセウス群
13年8月12日夜から13日にかけて。80/時間
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逃したくない恋があるとか、そういうんじゃない限り、ペルセウスまで待つのが健康管理面からも個人的にはおすすめ。冬の夜にじっと動かないってのは気温以上に厳しいからだ。まぁ観測される方はとにかく無理だけはせずに。ああでもそれこそ「10分間じっと夜空を見つめる」練習がてら、しし群待つのもいいかもね。
窓際に寝転んで、部屋の明かりを消して。
本当に願っているならば、案外スッと飛んだりするから。
曲は林ももこで「屑星」
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