闇のシルクロード
「核の闇市場」という言葉がある。「中二病」みたいだがそうではない。パキスタンのカーン博士が核技術・資材を横流しした際に出来上がった売買システム・流通ルートのことを言う。先進諸国側にフロントカンパニーをこしらえて先端技術や工作機械を調達し、ここに流して危険国家の大量破壊兵器・製造に使用される。「核の」と付いているが核に限らない。ABCMと呼ばれる核(Atomic)生物(Bio)化学(Chemical)ミサイル(Missile)関連はここにコンタクト、と考えてまず間違いない。
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今日「北」がミサイル飛ばしたわけだが、ここの主な資材調達先は当該闇市場と支那、そして「南」である。南はホワイト国(経産省命名)といって、上記ABCMは勿論、武器製造に転用可能な技術物品拡散させません。キチンと輸出管理しますという約束をしているわけだが、世界平和より目の前のカネ、な連中であることは火を見るより明らかである。敵でキライでイヤで仕方ないはずの日本でアイドル面して尻振ってるなどその一例だろう。いや、だから火見せてくれる必要ないから。火付けるの得意なの知ってるから。
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さておき、ここ最近ABCMで世間を騒がせた国家および非国家主体を西から並べるとこうなる。
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シリア-イラン-パキスタン-中-北
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あれ?
そう、それで本日のタイトルとなるのである。名付けて「闇のシルクロード」。アナタが会社で輸出管理や法務を担当しているなら、ガンガン使って広めて欲しい。注意すべき国家群・地域として実にキャッチーなフレーズだ。
そして物流を考えた時、これは震撼すべき事態になったことを教えてくれる。陸路で闇取引が成立するからだ。
地図を広げて欲しい。先進諸国からの資材調達を図る時、最短の海路で運ぼうとすると出発点は地中海か日本になる。しかし前者地中海は隠れながら移動できるルートは無く、日本からも豪亜地中海にはマラッカ海峡を代表に狭い海路が多く、監視の目を逃れることは難しい。
畢竟、陸路であれば、むしろ「闇のシルクロード」庇護国・実効支配地域のみを通って行くことが出来る。そうなると広いユーラシアで捕捉は難しい。一旦闇市場に出たが最後、行方を追跡するのは不可能になろう。
「日本はそんな恐ろしいことに加担」
しないと思うよね。普通は。平和を愛する日本の企業が。
で、某企業の例を出すのは簡単だが、今回の記事で言いたいことは違う。まずひとつ、ミャンマーである。
ご承知の通りかの国はアウンサン・スー・チーの尽力で軍事独裁が緩まったと国際社会的には認識されている。いや彼女の功績を否定するものでは無い。その結果、新しい市場を支那と先進諸国が争って・・・というのが現状である。
次に、今回の北のミサイルである。え?人工衛星だ?んなもの欺瞞かつ「計算した場所に放り出せるかどうか」実証のために決まってるじゃん。そこは問題ではないのだ。この案件「解体修理」と喧伝され、みんなが「ふ~ん」と思ったところで花火がドン、だったのが問題なのだ。南自身が「一旦分解」と公的に言い切っちゃった直後なのである。これが何を意味するか。簡単だ。北の分子が南にいる。
そんなわけで今、ミャンマーに先進諸国が入り始めている。誰かが将軍様に「表向き民主化したら?彼女の功績にしておけば世間体も良い」と囁いたのだとしたら。
ミャンマーに堂々と先進諸国の物資・技術・人が入る。地中海からスエズを通って、マラッカ海峡を越えて。
そこでこの記事の最初の段落をよく読んでもらいたい。・・・おや、こんな時間に誰だろう。
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