子宮頸がんワクチン【1】
●冒頭の能書き
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主題を取り扱う。
小五の娘の父親であって、調べておく必要性自体は感じてはいた。
ワクチン有効性・危険性についてにわかに議論が高まってきたため、どう対処して良いか戸惑っている向きもあろうかと考え、このタイミングで記載する。なお、流動的な内容であるため、追って加筆訂正することがある。
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(1)子宮という器官
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まず基本。子宮は言わずと知れた胎児を宿し成長させる器官である。通常こぶし大の筋肉の塊で、その柔軟性の故に胎児の成長による拡張に追従し、その筋力の故に胎児を世に送り出す能力を有する。連続する器官として卵子が降りてくる一対の卵管、胎児産道となる膣がある。英語でUterusと書くが、これはラテン語の「腹」に由来する。腹部の根幹をなす器官として古代から着目されていたことを推察させる。
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(2)子宮頸部
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子宮と膣の境目には子宮口があり、普段は閉ざされている。一方で胎盤が生成され胎児が生育する子宮内部の空間を子宮体部という。この子宮体部と子宮口の間の細い管状の部分が「子宮頸」であり、子宮頸がんはこの部位に出来るがんである。
引用元:グラクソ・スミスクライイン社サイト
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(3)がん
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これも基本。「がん」(Cancer)は古い家庭向け医学書等には「悪性新生物」と書いてあったりする。これは
・所定の器官で特定の機能を担うべき細胞が
・機能を喪失した状態で増殖し続け
・当該器官、隣接器官を破壊し
最悪の場合死に至らしめる現象だからである。あたかも体内に出現した新生物の如しというわけだ。
細胞の機能が変化するのでDNAが何らか変化して生じ、そのDNAを変化させるのはたとえば放射線であったり細菌やウィルスであったりする。
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(4)子宮頸がんの種類と原因
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子宮頸がんの場合、子宮頸の表面細胞である「扁平上皮細胞」(へんぺいじょうひさいぼう)に発生する「子宮頸部扁平上皮がん」と、粘液を分泌する腺細胞に発生する「子宮頸部腺がん」(しきゅうけいぶせんがん)に分けられる。この原因が「ヒト乳頭腫ウイルス」(Human papillomavirus:HPV)であることが最近発見され、がん化メカニズム解析、予防へ進み出して今般の騒ぎに至るのである。なお、「上皮がん」と「腺がん」の発生比率は8:2程度で、腺がんの予後は不良(回復への道のりは厳しいという意味)と言われる。
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次回がん化のメカニズムを書く。いきなり難しくなる。
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