星の名を追って(6・終)
●ドゥーベ(Dubhe)
おおぐま座α星。距離123光年。北斗七星の「ひしゃく」の桶側先端部。固有名はアラビア語で「熊」星座自身と結びつきが深い。
.
●メラク (Merak)
おおぐま座β星。距離80光年。「ひしゃく」桶の底。αとβの間の距離の5倍外伸に北極星が位置するのはよく知られる。原始惑星系円盤を有する。固有名はアラビア語で「腰」アンドロメダのMirachと一緒で音便変化。
.
●フェクダ(Phecda)
おおぐま座γ星。距離83光年。「ひしゃく」の桶底で柄側。固有名はアラビア語で「熊の股ぐら」
.
●アリオト(Alioth)
おおぐま座ε星。l距離83光年。ひしゃくの柄の根元。固有名はアラビア語で「尾」の意・・・との説をとっておく。なお、メラク、フェクダ、アリオトは同じ方向、同じような距離に見えるが、実際同じ星団(おおぐま座運動星団)に属すると見られている。
.
●ミザール(Mizar)
おおぐま座ζ(つぇーた)星。距離86光年。ひしゃくの先端から2番目。同じ方向に4等星「アルコル」(Alcor:距離82光年)が位置しており、視力1.5以上あれば両者を分離できる。このため古来視力検査の指標に使われると共に、逸話も一緒に語られることが多い。なお、ミザール自身は四重連星である。固有名はミザールがアラビア語で「腰帯」ついでにアルコルが「かすかなもの」アルコルはそういう見え方に由来した命名だろう。
.
●ベネトナシュ(Benetnasch)
おおぐま座η(いーた)星。距離104光年。ひしゃくの先端。固有名はアラビア語で「棺桶を引く娘」ホントかよ。ひしゃくの水くみを棺桶にたとえたとか。アルカイド (Alkaid) という別名を持ち、こちらはアラビア語で「先頭者」。
.
★レグルス(Regulus)
しし座α星。距離79光年。四重連星で主星は高速回転で平べったくなっている巨星とみられる。固有名はラテン語で「小さな王」。
.
●デネボラ(Denebola)
しし座β星。距離36光年。「春の大三角」の一角。固有名はアラビア語で「獅子の尾」星座そのままである。なお、はくちょう座のデネブも同様に尾部を意味する。
.
●アルギエバ(Algieba)
しし座γ星。距離130光年。連星で望遠鏡で覗くと美観を呈す。しし座流星群の輻射点はここである。惑星系を有する。固有名はアラビア語で「獅子のたてがみ」
.
★スピカ(Spica)
おとめ座α星。距離250光年。春の大三角の一角。青白い輝きが「おとめ」の名と相まって美しい印象を与える。古来日本では真珠星と呼んだ。五重連星。固有名はラテン語で「尖ったもの」そのせいか星座絵では乙女すなわち豊穣の女神デメテルが手にした麦の穂先として表現される。
.
おとめ座に固有名の付いた2等星以上の星は他に無い。
.
まぁこんなもんか。(終)
.
■ソース
Wiki。天文年鑑2012。理科年表2012。あとここhttp://simbad.u-strasbg.fr/simbad/
« 星の名を追って(5) | トップページ | 星を巡りて~数多屑星の中で~ »
コメント