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2013年6月19日 (水)

子宮頸がんワクチン【2】

●子宮頸がん発生のメカニズム
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・・・こうした文言でネット検索すると次のような文章に出くわす。
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「16型ヒトパピローマウイルス(HPV16)など一群のHPV DNAは子宮頸がんの90%以上から検出され、これらのHPV感染は子宮頸がんにおける最大の危険因子であることが明らかになっている。ウイルス遺伝子のうち、E6とE7はがん細胞においても必ず発現しており様々な機能によって発がんならびにがん形質の維持を担っている。E6とE7を正常角化細胞に導入すると細胞の分化を抑制し異常増殖を引き起こす。このうちE7の機能は主にがん抑制遺伝子産物pRbの不活化によると考えられている。」
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今回このあたり噛み砕いて書いてみたい。ワクチンが危険かどうかさえ教えれという意見は受け止めるが、危険かどうかはどうやって効くのかを知っておく必要があり、効く理由は発生を抑止するためであり、すなわち発生のメカニズムの理解が必要と考えるためである。
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(1)大まかな流れ
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①ヒトパピローマウィルス(以下HPV)に細胞が感染する
②無制限増殖(がん細胞の重要な性質)を防止する作用を邪魔する
③免疫機構を回避する
④人間の細胞に自分自身のコピー能力を持たせる(HPVが細胞内で増える)
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さてここでまず書いておかなくてはならないことがある。「細菌」と「ウィルス」の違いである。
細菌、たとえば人体だと大腸菌が有名だが、こいつは「人体に住み着いた別の生物」である。平たく言えば、消化によって産生される乳糖をエサとして細胞分裂して増える。このエサの分解の際に毒素を出すのが「病原性」大腸菌である。それはともかくも、「エサさえあれば自分で増えるのが細菌」である。
一方ウィルスは遺伝子とそれを包む殻は持っているが、それだけでは増殖できない。自分の増殖には遺伝子(DNAまたはRNA)と殻(タンパク質の膜)を作る必要があるが、
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それを、別の(人間の)細胞にやらせる
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これがウィルス最大の特徴である。平たく言うと、細胞では遺伝子の情報に基づいて自分を複製する作業が行われるが、そこにウィルス自身の遺伝子を放り込むと、細胞はウィルスの遺伝子に基づいてウィルスを複製してしまうのである。もちろん、人体側もウィルスを細胞にくっつけない、間違った細胞(この場合ウィルス)を作らせない、間違って出来たものを排除する、という十重二十重の防衛システムを持ってはいるが、ウィルス側もそれらをだましたり無効化したりして自分を作らせようとする。HPVの場合10年以上掛けて子宮頸部にそれをやらせようという企みと言える。上の方でガクジュツテキな文言引用しているが、そこには書いたような「ウィルスの奸計」が記載されていると思って頂きたい。
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というわけで時系列に沿って書いて行く。1回じゃとても収まらない
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(2)がん化までの詳しい流れ
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①HPVに感染
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Ahan
HPVは人の上皮(つまり身体や組織の最も外側)に感染する。ただ、そもそも人体には異形の存在であるため免疫の攻撃対象となる。
NK(ナチュラルキラー、文字通り殺し屋である)細胞に食われたり、専用の抗体が出来てウィルスの動きを封じる(ウィルスを縛り上げるイメージで結構)などで感染自体を妨害するほか、感染できても本当の表面ではやがて「垢」となってはがれ落ちることになるため簡単には増殖できない。
ただ、子宮頸部では皮膚にたとえると「一皮むけた」ような部分が存在し(疑びらん部とか言う)、ここでは新しい細胞をどんどん作っている「基底細胞」に直接触れられるようになっている。HPVがここに接触し、免疫の働きに打ち勝つようなことになるとウィルスとしての活動が表に出てくる。なお、通常は感染してもこのように免疫の働きで治ったり、ウィルスの働きが封じられ、遺伝子のコピーは数百程度以上に増えることはない。米国疾病予防センター(CDC)のデータによると、3億人の感染例でがんに進行したのは40万人、0.13%という。
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まとめると、子宮頸部には構造上HPVに感染しやすい部分があるが、殆どは免疫システムで排除されるか、ウィルスとしての活動は出来ない状態。
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とりあえずここまでよろしいですか。
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(つづく)
ソース
http://jsv.umin.jp/journal/v52-2pdf/virus52-2_287-293.pdf
http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/project.html
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~ohtani/kenkyuunaiyou2.html
http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0705-01.pdf←HPVのポンチ絵はここから
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17645777?ordinalpos=7&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17353266?dopt=Abstract

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