子宮頸がんワクチン【6・終】
●ワクチンの有効性と予防
以上踏まえて、見て行きましょうか→原文
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・イラクサギンウワバ細胞由来
⇒検索すると判るがそういう名前の「蛾」・・・昆虫体内で培養するという意味
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・発癌性HPVに感染してもほとんどの場合、ウイルスは自然に排除されてしまう。しかしウイルスが排除されずに長期間感染が続く場合があり、ごく一部のケ-スで数年~十数年間かけて前癌病変の状態を経て子宮頸癌を発症する
⇒子宮頸癌の発生確率や要する期間の説明。「ごく一部」は書いた通り10%ね
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・L1 蛋白を会合させた非感染性のウイルス様粒子(VLP)と、Al(OH)3と 3-脱アシル化-4’-モノホスホリルリピッド A(MPL)から成るアジュバント(AS04アジュバント複合体)を含有している。
⇒そのDNAなしのウィルスと、アジュバントね。Al(OH)3というのはそのアジュバントに含まれている水酸化アルミニウムね。はいアルミニウムが出て来ました。
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・HPV 16 型と 18 型の持続感染、HPV 16 型もしくは 18 型が関与する前癌病変(CIN2+、CIN3+)の発症をほぼ 100%予防する。
⇒「数年から数十年掛けてがんになるのにどうやって100%?」良い質問ですね。もう少し引用します。
「本剤投与により L1 VLP に対する液性免疫及び細胞性免疫が惹起され有効性を示すことが、動物モデルを用いた試験より示唆されている。作用メカニズムとしては、本剤により誘導された血清中抗 HPV IgG 抗体が子宮頸部粘膜に滲出し、子宮頸癌の主要原因である発癌性HPVの持続的な感染を予防していると考えられている。」
まとめると「抗体が出来てるから大丈夫だろう」です。
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・10 歳以上の女性が接種対象で、通常、0、1、6 ヵ月後の計3 回、上腕三角筋部に筋肉内接種する。
⇒注射の方法です。先回紹介した特許の中身はこれを「2回注射」にしようとするものです
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・効能・効果に関連する接種上の注意
(1) HPV-16型及び18型以外の癌原性HPV感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変の予防効果は確認されていない。
⇒そりゃこいつらのあの形だけに対応したものですからね
(2) 接種時に感染が成立している HPV の排除及び既に生じている HPV 関連の病変の進行予防効果は期待できない。
⇒もうがん化のプロセスに入ってたらダメ
(3) 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診や HPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
⇒後で触れますこの病気は基本「性病」です
(4) 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
⇒そりゃそうだ。開発されてから数年だ。本当の答えは「数十年後」に出る
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・国内臨床成績
20~25 歳の女性 1,040 例を対象とした二重盲検比較試験(HPV-032 試験)において、有効性を対照(不活化A型肝炎ワクチン)と比較した。
⇒使った人は半年後には全部消えてました。
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・海外臨床成績
(1)15~25歳の女性18,665例を対象とした二重盲検比較試験(HPV-008試験)において、有効性を対照(HAV:不活化 A 型肝炎ワクチン)と比較した。
⇒効くのは効くようです。この他プラセボ試験(要は嘘ついてみる)もやってますがここでは略します。
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・免疫原性
抗体価と長期間にわたる感染の予防効果及び子宮頸癌とその前駆病変の予防効果との相関性については現時点では明確ではない。
⇒免疫が出来たことが真の予防効果を意味するのか不明です。だから数十年後ですね
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・安全性(副反応)
副作用って書けよ。612例のうち
疼痛 606 例(99.0%)
発赤 540 例(88.2%)
腫脹 482 例(78.8%)
また、全身性の特定した症状の副反応は、
疲労353例(57.7%)
筋痛277例(45.3%)
頭痛232 例(37.9%)
胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)151 例(24.7%)
関節痛 124例(20.3%)
発疹 35例(5.7%)
発熱 34例(5.6%)
蕁麻疹 16例(2.6%)
であった。
⇒殆どの女の子が「痛い」「腫れてる」そして半分の女の子が「疲れる」「痛い」1/4の女の子が「気持ち悪い」
ちなみにインフルエンザワクチンはこうね
10~20%で接種局所の発赤、腫脹、疼痛、硬結、熱感、しびれ感等をきたすことがありますが、通常2~3日で消失します。全身性の反応としては、5~10%で発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、一過性の意識消失、めまい、リンパ節腫脹、嘔吐・嘔気、下痢、関節痛、筋肉痛などがみられることがありますが、通常は軽微で、やはり2~3日で消失します。また、ワクチンに対するアレルギー反応として、まれに発疹、じんましん、湿疹、紅斑、掻痒などが数日間見られることもあります。
出典:http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html#q28
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●まとめと根本に立ち返って
色々書いたがここで肝心要なことを書いておく。この病気は「HPV」を「子宮頸部」に持ち込まないとそもそも生じない。すなわちチョット書いたが「性病」にカテゴライズされる病気だということだ。従って
こういう奔放な性生活送らない限りそもそも感染する機会が無い。
ちなみにがん化能力の無い別の種類のHPVで発症する病気に「尖圭コンジローマ」というのがある。性器にかなりえげつない形状の「いぼ」(いぼの集団)が出来る。ここに貼るには躊躇する。検索すれば出てくるが注意されたい。
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つまり
・普通に生活してれば感染しない
・感染しても身体に残り続けること自体まれ
・身体に残ったのががん化するまで数年から数十年
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に対して「多分効いてるでしょう」なワクチン打つかって話だ。ちなみにオレ個人が感じるリスクを書いておくとこうなる
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・VLP筋肉突っ込んで悪影響は?
・アジュバントの影響は?アルミニウム悪さしない?
・ウィルスが免疫の作用乗り越えてがん化へ走り出すメカニズム不明確だが、その時点で免疫自体やウィルスの他のDNAが何をやらかすか判明しているか?
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子宮頸癌になりかけかどうかは定期健康診断の項目に含まれている。直接サンプル取って見るので一般に女性には抵抗がある方法にならざるをえない。ただ、ワクチン万能かどうかまだ不明なわけで、ワクチン打ってもこの「直接取る」は当面無くならない。比してメカニズムが完全に解明されたわけじゃないもの1000人ほどに試して効きましたって統計学的検定の点でどうなのよっと。これだけ「アレルギー」が蔓延してる国でっせ?
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オレ的結論:見送る
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貞淑であれば感染せんのじゃから。親の教育が第一だろうて。
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(おわり)
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