事故の背景
米国でアシアナのB777が落ちた。「機長見習い」状態の操縦士が進入高度、高さ、速度を誤って失速させたように見えるが、まぁその動画を見る限りお粗末の一言である。ちなみに航空会社や乗組員の国籍に絡めて論じるつもりはない。
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お粗末の最たるは日本の場合それこそ尼崎事故であろう。「事故や故障の原因因子に人の心理を持ち込むな」は要因分析の鉄則だが、逆もまた然りである。人の心に負担を強いて質を維持しようとしてはならない。ただ、鉄道の場合、「とりあえず止めれば」何とかなるので、システム側で対応できる。なので運転士に何か合った場合の対応として
・デッドマン装置
ノッチ(クルマのアクセルに相当)から手を離すと加速が中止される(場合により更に非常ブレーキ)
・EB装置
一定時間(普通1分)何も操作しないとブザーが鳴って、更に何もしないと非常ブレーキ
・ATS装置
信号無視で非常ブレーキ
と、あったが、尼崎事故の結果、EBまたはデッドマンの義務化が図られた他、「信号無視」ではなく「速度超過」でも非常ブレーキが掛かる方式(ATS-P等)の整備促進が指示された。
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何かあった時と書いたが、その場合最悪の結果を招く乗り物が飛行機とクルマである。飛行機はそれでも二人乗務ならばどっちかがどうにか出来る余地がまだあるが、比してクルマはどうにもならん。アクセル踏み込んだまま硬直とかあり得る話で、事故に至るか、誰かが止めるか、しか行く末はない。先般東名阪道で起こった類例事故はとまれ良く助かったと言えるだろう。最近になって前車との距離を検出して~とか始めたが、使用可能な速度範囲に限界があるし、ステアリングを握ったまま横へ倒れたらどうにもならん。一方でナビが標準化している昨今、ナビには各種加速度センサが積まれているので、この辺との連携等が待たれる。ETCの拡張機能を活用し、高速道路のみ一定間隔でビーコンを設置し、制御や後続への警告という手もあるだろう。現状クルマの運転は「何もかもが運転者頼み」である。因子を人に……の流れと真逆のまま取り残されたのがクルマと言える。
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しかしてドライバー各位。掛かる状況に鑑み、あなたとあなたの大事な人は、あなたにしか守れない。どうぞ余裕と、十全の準備を。ナビの普及で地図による道案内自体は不要になったが、カーブが多いとか、事前に知っておくことは何も知らないより絶対に良い。
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今日も一日ゼロ災ヨシ→
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