パキスタンの地震について
海外で大きな地震が起きるとすぐ「次は日本」とか蒙昧に言い出す輩が出るので機先を制して書いておく。
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パキスタンで大きな内陸地震が生じた。
M7.7とか。(USGS。モーメントマグニチュード)
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規模的には東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の15:15分茨城沖余震(M7.6)に近い。ただ何せ直下で起こった。現地の住宅構造等を考慮すると濃尾地震(1891年・M8.0)に近い状況なのではないか。
この辺りの地勢・地形を見る。ここは赤い矢印に示したがインド亜大陸がユーラシアに陥入するという運動が続いている。基づいて出来上がった大地の「しわ」が赤い楕円で示したヒマラヤである。かつてここは海底であったが。押されて盛り上がって8000メートルを超す山脈になった。ちなみにそうした出自からヒマラヤで貝の化石が出る。
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一方で周辺ではユーラシアとインドとが「すれ違う時に肩がぶつかるような」運動が起き、ストレスが限界を超えるとずれ動いて内陸地震になる。青い楕円の範囲である。東側が例えば四川大地震(2008年)であり、西側が今回のパキスタンや
国境を接するイラン東部の地震となる。なお、このCNNのキャプチャは2013年4月に起きたもので今回の震源に近い。
(http://www.theguardian.com/world/2013/sep/25/pakistan-earthquake-death-toll-rises)
現地映像が少しずつ。日干し煉瓦ではひとたまりもない。犠牲者はまだ増えるであろう。
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さて救援、と行きたいわけだがパキスタンは国際安全保障上は非常に評判がよろしくない。
インドとイランの間にあって核開発とその拡散に意気旺盛なのである。「カーン・ネットッワーク」というフレーズで検索して欲しいが、核技術を闇ルートに拡散させたその罪は重い。また北部ではアフガニスタンとの国境がうやむやの状態でありここがイスラム過激派の巣窟になっているのはご存じの通りである。
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されど子供達にまで罪があるわけではなく。
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日本に出来ることは何であろう。緊急地震速報のようなインフラ整備は投資が莫大すぎる。
弱点は家屋の材料と投入出来るコストが限られることである。それならそれで鉄筋ならぬ竹筋という手もあるのだが、周知徹底は容易ではあるまい。まして政府が政府である。トップダウンの活動と、教育による国民の知見水準底上げから始めないとならない。
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ああ脱線した。
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そんなわけでインド亜大陸のテクトニクスによるものであり、日本近縁の地震活動とは断ち切って考えて良い。むやみにくっつけて考える事なかれ、斯様な戯れ言に惑わされる事なかれ。言いたいのはそこ。
されどこのようなことが当分繰り返されるんだろうなと思うと、個人でリアルタイムにデータが集められる日本にいて虚しいと思うと共に、だからこそ日本で「次」を起こしたらただのアホとも思うものである。
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