埼玉県の自然災害
前にも書いたが実は幼い頃埼玉に住んでいた。更に言うと越谷市民なので、現場近くに幼なじみの実家があったりする。そのお宅自体は被害を免れたとのことだが、飲料水持ってバタバタなど、救援活動をされているそうな。
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埼玉県は関東平野のど真ん中に位置する。応じて他県に比して自然災害が少なめと言って良いようである。すなわち。
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・内陸であるため海洋性の災害(津波・高潮)は発生しない
・台風に対しては、関東地方の緯度、および内陸であるため、直撃を受けた時点でかなり衰弱している場合が多い
・日本海側の雪や寒気は群馬-新潟県境にとどまる。南岸低気圧による降雪も1日を超えることは無い
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「熊谷とかクソ暑いじゃんかよ!」
そこは今回の竜巻と関係がある可能性が高いので後で触れる。
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他の自然災害はというと地震だが、幼い頃夜中に「どどどど」という音で目が覚め、同時に両親が覆い被さってきた、という記憶がある。理科年表をはぐればそれは「八丈島東方沖地震」(1972年12月4日 M:7.2)であったと思われる。地震に関する限り「西埼玉地震」(1931年)など、関東直下グループに属する地震が比較的コンスタントに生じているが「さきたま古墳群」(5世紀~7世紀)の存在からして、その土地を捨ててと思うような災害は少なかったと推察される。
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比して今般。
その熊谷が猛暑の名所とも繋がるわけだが、埼玉はほぼ平坦の故に宅地開発が急速に進められ、地面がコンクリとアスファルトでほぼ覆い尽くされてしまった。オレは幼い頃東武線の線路際のドブ川でザリガニを釣って遊んでいたが、東武が複々線の高架になって当のドブ川は暗渠になった。これは地面と空気との熱交換が遮断されてしまったことを意味する。俗に言うヒートアイランド現象である。
この結果、
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・空気が暖められるばかりで、冷やされる要素が無い。
・その上空に寒気が入れば積乱雲は発達する。
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あとは遮るもの無き関東平野のど真ん中である。吸い上げる積乱雲には気流が四方から複数寄り集まる。そうなればコリオリ力など僅かなきっかけで渦を巻く。
先年のつくば市もそうだが、アメリカの大平原で生じる竜巻のミニチュアが、まま関東平野で起こりやすくなっているのでは?という見方が必要なように思われる。
高温化というとすぐ地球温暖化というスケールで捉えられがちだが、竜巻というミクロスケールの擾乱にはミクロスケールの変化が反映される。
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「今まで無かったから、大丈夫だ」
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その前提となる「日常の環境」が変わった昨今、それはもはや通用しない。
今この記事が見られるあなたよ。応じた予報が出たなら、どうぞその見ている道具を使って、気象レーダをチェックするなど、先んじた対応をお願いしたい。
・気象庁「レーダーナウキャスト」
・ウェザーニューズ「雨雲レーダーチャンネル」
さいたま市の北にある巨大かつ真っ赤なエコーが今回竜巻を起こした巨大積乱雲「スーパーセル」である。この下は「小さいが強力な嵐」が暴れている。
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