もっともっと神の粒子~ヒッグス粒子でノーベル賞~
解説を試みる(ドヤァ
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まず「質量」という言葉の意味するところにおいてアナタの理解を壊しておく。
キログラム原器。である。日本の場合つくば市にある。質量という言葉は大体こういうものを思い浮かばせる。
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こいつを宇宙空間に持って行くことを考える。宇宙は無重力である。地球からの引力は非常に弱い。
そこには国際宇宙ステーションがある。しかしそこにアナタがプカプカ浮かんでいるとして、アナタが指一本でこの宇宙構造物を動かせる、とは思わないであろう。同じで、キログラム原器宇宙空間で動かそうと思ったら応じた力を要する。この「動かすために必要な力の大きさ」言い換えて「動かしにくさ」こそ質量である。1キログラムは地上で水1リットルの重さを基準に発案された。
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さておく。
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宇宙はビッグバンで生まれたと言われる。「無」から一定の確率でポコンと生まれるそうである。その宇宙はご承知の通りその状態で単なる火の玉であって、直ちに空間として膨張を開始した。この時点で宇宙には「構造」や「物質」はない。
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膨張に応じて宇宙は温度を下げて行く。ここで思い出していただきたい現象がある。皆さんは水を熱すると水蒸気となり、逆に冷やせば水に戻ることをご存じであろう。同じような状態変化が宇宙に生じた。これを「相転移」という。水の変化も立派な相転移である。水蒸気~液体の水~氷。それぞれ気相~液相~固相である。
そして「気化熱」という言葉をご存じと思う。液体の水が水蒸気になる際、周りの熱を奪う現象だ。身体にアルコールやアンモニア(キンカン)を塗るとひやっとするが、あれはそれらが気化する時に体温を持って行くからである。ひっくり返して、液体の水が気体になるには、相転移するには熱というエネルギが必要と書ける。変身料とでも思っていただければ。
これは気相から液相になる場合逆に熱として払い戻されることになるわけだが、同じような払い戻し、吐き出しが宇宙創生期の相転移でも生じた。短時間で何度も生じたが、そのたびごとに宇宙は「物質」を作り、物質が存在する空間は都度「性質」を変えた。
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本題はこの先である。まず、この繰り返しのあげく
・一つだけだった「力」が「4つの力」に分かれた
・物質が質量を持つ空間に落ち着いた
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のである。生まれる過程の宇宙空間は、相転移により、質量を持つ空間に落ち着いたのだ。応じて払い戻された変身料こそが「ヒッグス粒子」という粒子の形でその空間に充ち満ちたのである。
この結果、ヒッグス粒子は存在する物質の行動に制限を与えるようになった。我々は「水にくっつきやすい」とか「水を弾きやすい」とかいう性質を知っているが、同様にヒッグス粒子に満ちた空間になった結果、物質ごとに動きやすい~動きにくい性質を各種持つことになったのである。これこそが「質量」であり、光の素である「光子」は質量ゼロ。上記「4つの力」の一つである「強い相互作用」が働く時にチラリと出てくる「トップクォーク」は金の原子並みの質量を持つと言われる。
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今回ヒッグスを発見した加速器CERNは、直径27kmの図体で莫大な電力食わせて陽子2個を光速の99.9999991%まで加速させる能力を持つ。逆に言うと、ヒッグス粒子が払い戻される前の宇宙を陽子2個サイズで実現するために、それだけのエネルギが必要だったと言うことである。
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ちなみにこのヒッグスさん、自身の質量はトップクォーク同等、よって金原子並みなんだとか。
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【補足】
「充ち満ちている」と言っても農協のタマネギ詰め放題みたいな状態になっているわけではない。我々が住むこの空間を数式で表現する際に「充ち満ちている」とした方が式がスムーズに成り立つという程度の話。ただ、それはこの空間を宇宙創成レベルにまで高温高圧にしてやると、ヒッグス粒子の姿に具象化して見ることが出来るという意味。
ヒッグスがノーベル賞になったのは、質量の始原を語るのみならず、相転移を繰り返してきたことの証明にもなるからである。なお、ヒッグス粒子のアイディアは小林=益川理論(2008年ノーベル賞)の応用・延長線上である。
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