土日鉄道保線部
●冒頭の能書き
新幹線が300キロ超でぶっ飛ばせるのも夜間の保守の賜物であって。
よらず日本の品質はこまめな調整・リフレッシュで常に設備の調子を一定水準に保っていることが大なる素因である。
それはさておき。
鉄道模型、とりわけNゲージは軽量故に粘着接触の点で不利なシステムで、こまめなメインテナンスが欠かせない。しかし一般のモデラー記事でそこに踏み込んだモノはあまり見かけない。
なのでチョット書いてみる
●通常パターン
1.定期清掃
お掃除列車。運転前にまずこれを走らせる。キ100+E851+トミックスクリーニングカー2両+ヨ8000という謎編成である。ヨ8000自体は編成としての締まり・見栄えの故に付けている。
先頭キ100。ラッセルヘッドは「積もったホコリを押しのける」イメージの類推で選択。裏はこうなっている。モジャモジャはホムセンで売ってる「すきま風防止」のアレ。文字通りホコリをのけている。
次位機関車E851は「専用」として「異色」を起用したかったことと、最も集電に不利な条件で運転するため、フライホイール付きが欲しかった事による。ただここまで編成の走行抵抗が大きいとフライホイールの効果は大きくは無い。
クリーニングカー片方。理系ティッシュ(?)キムワイプを貼ってある。このまま運転する。線路をから拭きする。鉄道模型の線路の汚れは「スパークカーボン」である。ホコリ等に乗り上げて電流が切れようとする瞬間、極めてミニチュアだがスパークが出る。このスパークでホコリ等が焼損し、「お焦げ」のカーボン(炭素)が出るのだ。線路や車輪を黒くしている正体はこれである。
こいつを除去する、発生を抑止するのがクリーニングの最大の目的であり、それぞれに苦労していてノウハウがある、というわけだ。対して土日鉄道では単に紙で拭き取るという選択をした。ちなみにキムワイプは「自分自身がほつれてホコリをまき散らす」ことが無い。だからこの用途に好適である。
こいつを除去する、発生を抑止するのがクリーニングの最大の目的であり、それぞれに苦労していてノウハウがある、というわけだ。対して土日鉄道では単に紙で拭き取るという選択をした。ちなみにキムワイプは「自分自身がほつれてホコリをまき散らす」ことが無い。だからこの用途に好適である。
クリーニングもう1両はバキュームで使い、ホコリを吸わせる。なお2両とも内蔵保護回路(ポジスタ)は回路短絡して殺してある。★同じ事をして不具合が生じても責任は持ちません
2.塗油
線路には油を塗っている。
集電性向上剤「LOCO」(公式サイト)
10ml2700円。「は?」てなもんだが、高級な乳液がそんなもんと考えると、まあ、判断は任せますわ。狙いは
こう、レールの上を薄く油で覆う。内容不明だがトミックスクリーニング液とニオイ同じ(少なくとも同じ物が含まれている)。導電性を持っているようで、金属同士の点接触より通電面積増えるし、線路同士の接触が離れても油経由で電気が流れる。まぁそんな機序。ちなみに公式には爪楊枝に移して車輪に付けろとしてあるが、それやると楊枝が吸い込んで勿体ないので、写真のようにピペットに吸わせてレールの上に直接載せている。
載せた油はこいつで塗り広げる。トミックスクモヤ193。元・「クリーニングカー」である。すなわち品番92007の強制回転やすり式のタイプだ。当時は動力車重たく作ってナンボだったこともあり、やすりでゴシゴシでも問題なかったが、時代を下るとレール面の傷で車輪が跳ねるため、上記「スパーク」の因子となり、傷つけない範囲で汚れを取る方が主流となった。で、回転やすりのシステム抜かれ、テキトーに重いことも利して油塗りである。なお、LOCOは運転当初の他、2時間連続で動かしたら追加する。これで少なくとも動力車の車輪踏面を清掃する必要は皆無となった(トレーラー車は実施要)。10ml2700円。買い続けてるのがオレの結論。なお塗油量はレイアウト規模によるので、各自トライアンドエラーで調整頂きたい。
3.車輪
「動力車の踏面は掃除してない」と書いたが、トレーラーは別である。軽いから接触力弱い。件のスパーク発生しやすい。このことはKATOの「レジェンド」シリーズ等で採用の低フランジ車輪(踏面の幅が狭く、しかも円弧面=接触面が小さい)の汚れ付着が早いことで傍証される。ちなみに低フランジで振り子(上で動く)で黒染め(踏面が凸凹)とか最悪である。なお、だったらLOCOの塗膜厚くすれば解決するが、そうすると今度は動力車が空転する。良いバランス点は見つかっておらず空転防止を優先し、トレーラー車を清掃している。
クリーニングレール。トミックスクリーニング液を染ませて使用。上述の通り傷防止(車輪側も)のため湿式オンリーである。大体1行路30分から1時間なので、そのタイミングでガーッとやる。
4.その他
万能では無いので各所の汚れに応じてトミックスクリーナー液を染ませて拭いてる。なお、綿棒のバケモノ含む妙な詰め合わせセットはトミーテック通販のオリジナル商品である(今は販売してない)。
細い棒は車輪の隅とか、ポイントのトングとか。特にトングは本線レールへの接触だけで通電しているため、側面のクリーニングが欠かせない。
●大メンテ
LOCOは効果大ではあるが、最も通電接触の低い箇所から汚れ始める、ことに変わりは無い。ただLOCOを使うとその汚れが希釈される…「汚れを全体に塗り広げている」可能性はある。キムワイプから拭きでは限界があるようで時々ツールを変えて走らせる。
金属磨きクロス。付いてる黒いスジはそのカーボン汚れを拭いたもの。こいつを上記クリーニングカーにキムワイプに変わって貼り付ける。
走行抵抗大きくなるのでえっちとー登場。ただこれ結局微細ながら研磨になるわけで、ひょっとすると土日鉄道のLOCOは、ここで生じた傷を埋めるような作用をしているのかも知れぬ。
線路ピカピカ。以下この繰り返し。ゴムタイヤ摩耗などで走行支障が出れば都度対応。
さぁ次はどの連中を動かすかねぇ。
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